第18回 周泰、孫権の親衛隊長となる
孫権が孫策の後を継いだ。
孫権はまだ若干、一九歳である。
しかし、大きな混乱は起きなかった。
孫策が後事を託した周瑜と張昭が、はっきりと孫権を支えていくことを明言したためである。
孫権は孫策の遺言に従い、まずは内政を充実させ、国力の増強につとめることとし、国力増強が成就した暁には、孫家の仇敵である江夏の黄祖を討伐する旨も、当面の方針として合わせて示したのである。
孫権は本拠地を、孫策同様、呉郡呉県とし、皖城から周泰、蒋欽と共に移動した。そして、周泰を親衛隊の隊長に、蒋欽を水軍に異動させ、周瑜の直属とした。
孫権が言う。
「まずは、公奕。軍師の公瑾から、将来、水軍の指揮を任せられる人材を配置してほしい、という要望があった。そこですぐに思いついたのが、お前だ、公奕。水軍は我々孫呉の柱でもある。公瑾の下で、精進せよ。」
「孫権様や幼平と別れるのは少し寂しい気もするが、孫呉の水軍を率いることが出来る可能性があるというなら、喜んでやらせていただきます。」
「お前ならやれる。公奕よ、水軍での活躍を期待している。」
蒋欽は拝礼した。そして、孫権は周泰に言う。
「幼平よ、そなたの事は親衛隊長に任命する。我が盾となり、これからもよろしく頼む。」
「はい。必ずや孫権様の盾となり、生涯、守り通すことをお約束いたします。」
「よろしく頼むぞ。」
周泰は拝礼した。
周泰と蒋欽は退出して二人で話した。蒋欽が言う。
「さすがは幼平、親衛隊長か。お前と孫権様の絆は格別なものがあるからな。」
「孫策様からの遺言でもあるからな。しかし、お前も軍師殿の直属とは、なかなか大変そうだ。」
「そうだな・・・。今まで、陸を中心に戦ってきた俺にとって、水軍と言うのは全く新しい感覚だ。それを楽しもうと思っているぜ。」
「さすがは 公奕だ。お互い働く場所が離れることになったが、俺たちの友情は生涯のものだ。」
「ああ、そうだな。お互い、そう遠くに離れ離れになるわけでもない。いつでも会えるさ。その時は、一杯付き合えよ。」
「もちろんだ。」
こうして、周泰は孫権の親衛隊長、蒋欽は周遊直属で水軍の所属となり、これからは離れて働くようになった。しかし、孫策が予想した通り、二人は呉軍になくてはならない存在になっていくのである。




