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周泰  作者: 涼風隼人


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第10回 周泰、孫権と留守を預かる

 江東の統一は、孫策の力により実現した。しかし、江東には一つ、問題がある。広範囲にわたって、異民族の「山越」が散在し、ほとんどは孫策の支配を受け入れない姿勢を誇示していた。


 孫策は丹陽郡の「宣城」を本拠地に定め、各方面の山越を討伐する計画を立てた。山越の力を削ぐことが江東の安定と平和につながり、孫策にとっては必要不可欠な戦いであったのである。

 

 いつも行動を共にしてきた周泰と蒋欽はここで別れる。

 

 蒋欽は、孫策に従い山越の討伐へ、周泰は宣城の守備を任された孫策の弟である「孫権」の補佐をするように命じられた。蒋欽が言う。

 「初めて俺たちが分かれての行動だな。俺は、いつも通り暴れて来るぜ。幼平、留守番しっかり頼むぜ。」

 

 「ああ。私の性分としては、正直、討伐軍に参加したかったという思いはあるが、万一にもこの宣城に何かが起こらない様にしっかりと責任を果たすつもりだ。」

 

 「そうだな。孫権様の補佐として孫策様が残したのはお前だけだからな。ある意味、ものすごく信頼をされている証拠だろう。」

 

 「俺も、古参武将のお一人くらいは残ると思ったが、全員出動と聞いて、気を引き締めた。頼れる人はいないからな。」

 

 「まあ、幼平なら大丈夫だろう。俺はいつも通り、手柄を挙げる。お前は、ここを守る。それがお前の手柄だ。」

 

 今回の山越討伐軍は非常に大掛かりな作戦で、六県にわたって実施される予定となっていた。

 

 よって、主力のほとんどは孫策に付き従い、宣城に残ったのはわずかな兵と孫権、周泰となった。孫権が言う。

 「周泰、私は孫権仲謀。宣城の留守を仰せつかった。その補佐として兄上の孫策は、今一番伸び盛りの武将を敢えておいていく、といって私にそなたを付けた。今後とも、よろしく頼む。」

 

 周泰は拝礼して答える。

 「お心遣い、ありがとうございます。以後は、字の幼平でお呼び頂ければと思います。この周泰、命に代えましても、宣城と孫権様をお守りすること、ここに誓います。」

 

 「そんなに固くなる必要はあるまい。山越も兄上に攻撃され続けるのであるから、よもやこちらに出てくる余裕はないはずだ。」

 

 「確かにおっしゃる通りですが、山越の拠点すべてを我々も把握しているわけではありませんので、思わぬところから侵攻してくる可能性もあります。油断せずに、警戒に当たります。」

 

 「わかった。幼平よ、私も油断をしない様、気を引き締めよう。必要なことは遠慮せずに、随時言ってくれ。」

 周泰は再び、拝礼した。

 

 孫策率いる本体の山越討伐は、順調に進んでいた。

 

 この時、孫策の存在を歯がゆく感じている人物がいた。

 

 「袁術」である。

 

 袁術はいつまでも孫策を自分の家臣の様に思っていたが、ここ最近の勢いで、孫策は事実上、自立したと言える。

 

 それを妬ましく、疎ましく思っている袁術は一つの計略を仕掛けた。

 

 山越に、有力な族長である「祖郎」という者があり、孫策の邪魔をすれば多くの褒賞を与えることを約束し、守備の薄くなっている宣城の急襲をするように依頼をしたのである。

 

 山越は異民族とはいえ、漢民族と民間では商売などで関係があり、袁術は祖郎と懇意にしていた。そのため、祖郎は袁術の頼みを快諾し、秘密裏に山越の連合軍を形成した。

 

 現在、孫策による山越討伐が行われている最中であり、この連合軍に参加している者たちは、孫策への恨みを持っており、士気はかなり高かった。

 

 宣城への接近を勘付かれない様に、移動は深夜のみに限定し、物音一つ立てない静かな進軍であった。

 

 誰も気づいていない。孫策は、よもや袁術が絡んでくるとは思っていなかった。そして、宣城を守る孫権も警備の体制を怠っていたわけではないが、全く山越連合軍の接近には気付いていなかったのである。

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