――狼男編――満月の日
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この絶景を一生忘れないように、目に焼き付けてから、山道を下った。帰り道は行とは違って見えるとよく言うが、僕自身の見方や捉え方が根本から変わっていたので、何もかも違ってみえた。木も草も小蝿でさえも存在している意味があるように思えてしまった。この感覚は久しかった。好奇心が再び、僕の中に生まれてきたのだろうか。
「園嵜君の夢ってなに?」
と安城は唐突に訊いてきたので、僕は目を逸らして頬を掻いた。
「……言いにくいな」
「夢を語る男の人はカッコイイよ」
「しょうがないな。笑わないでくれよ。僕はヒーローになりたかったんだ」
僕は照れながら、初めて他人に夢を語った。
「ヒーローに!? 立派な夢だよ!」
安城の好きなものは知っていた。それはヒーローだった。正義のヒーローは、彼女にとって、憧れの的なんだろう。
「能力もないのに、ヒーローになりたいだなんて無謀だよ。僕なんかがヒーローになれると思うかい?」
「なれるよ! きっとなれる! 能力を持っていない人だってヒーローをしているし、いつか能力に目覚めたりしちゃうかもよ。だけど、どうして、ヒーローになろうと思ったの?」
「僕の思い描く理想の世界と似ていたんだ。まあ、他にもあるけどね」
「園嵜君ならきっと正義のヒーローになれるって! 期待しているからね! 絶対なってね!」
期待されるのに慣れていない僕は、戸惑った。守れそうにない約束をしてしまった。
安城と別れて、今は駅前にいた。
一時間かけて山から下りたので、太陽は完全に沈み、空には満月と星が輝いていた。西側の空には暗雲が覆っていた。
都会と比べたら田舎ではあるけれど、人が集まる街なので、駅のホームは見上げるほど大きい。周りには少し古びたビルが立ち並び、文字が映し出される看板が光って、夜の街は明るいままだ。不況で地下にある売り場は閉鎖されているけれど、JR、小田急、新幹線もこの駅で停車するので、人通りはかなり多い。周りは帰宅するサラリーマンや、部活帰りの高校生ばかりだ。
「いつか、きっといい事があるから」
と別れ際に言われた。
僕はそれを信じることにした。
いい事とは何だろうか? あまりにも漠然としていて、安城は自己啓発本を読んだばかりなのかなと思った。
いいこと無いかなー。漠然と思ってみたが、やはり漠然でしかない。
――ヒーローになりたい。
漠然と思ってみても、どうしようもないので具体的な願望をあげてみたのである。だけれど、いくら願ったところで叶う訳もない。家に帰ったらいつもの倍の筋トレでもして、身体を鍛えよう。まずはそれからだ。
……さて、日課の妄想でもするか。
僕は妄想の設定を、それぞれの場所で変えている。
学校では、ハーレム帝国の《王》。
電車の中では、学園能力バトル《ダブルガンマン》。
ベッドの上では、前は理想の自分。
お風呂では、魔術と剣士が混在する異世界に転送された《勇者》。
外ではヒーロー黒の道化師。
などなど。
僕の趣味は妄想なので、様々なシリーズを抱えていても苦痛と感じることもなければ、飽きることもない。
そして、今は外を歩いているので、ヒーローになった妄想をしよう。
どこまで、物語が進んでいるかというと、中盤が終りを迎えようとしていた。
ヒーロー名は黒の道化師。
能力は真実の反逆。クーデターにより、全ての真実は逆転する。弱きものは強きものになり、堅きものは柔きものになり、苦きものは甘きものになる。これが、黒の道化師の能力だった。
現在ランクは6。国家公認ヒーローたちにも認められ始めたところなのだ。ここから先の展開が重要だ。ランクが6から7にあがるためには強い悪魔でなければならない。
次の悪魔は何にしようか。ふと空を見上げると、淡く光る満月が視界に入った。こんなに綺麗な満月なんだから、狼男はどうだろうか? 僕は携帯を制服のポケットから取り出して、狼男と検索した。
半人半狼の姿をした男の画像が、携帯画面に映し出された。狂犬のように牙を剥きだしにしている。全身を白い毛で覆い、線の太い屈強な肉体は人間とは言い難い。
狼男の構想が練れたので、そろそろ登場させようとした瞬間、奇怪な高音が鳴り響いた。
――ビキィィィィィィィィィ。
空間は歪み、引き裂かれていく。これは間違いなく悪魔が出現する前兆だった。僕の鼓動が速まった。
Woooooooooooooooooooooooooo
緊急サイレンが街中に鳴り響いた。前兆を察知して、出現するよりも先にサイレンを鳴らすのが、悪魔対策でもっとも重要な役割をなす。
空間の割れ目から狼の顔が覗かせた。次に、胸板の厚い逞しい身体が、ゆっくりと出てくる。白い体毛を全身に生やし、太い腕、尖った爪、筋肉質な脚、人の也をした狼。まさに狼男だった。空高くからビルの屋上に落ちていった。
――ウォォォォォォオオオオオオン!
サイレンの音を掻き消し、鼓膜が破れてしまいそうな遠吠えが轟いた。
妄想の世界で起こっていることではない。
――これは現実だ。
ビルの屋上に、満月を背景に狼の影があった。狼男が空に向かって遠吠えをしていたのだ。その姿を見て、僕の足ががくがくと震えていた。毎日のように、悪魔を妄想するのだけれど、現実で本物をみたのは初めてだった。
「……うそだろ。勘弁してくれ」
恐怖以上に、僕は狼男が現われたことに驚いていた。偶然にしてはあまりにも出来すぎている。まるで、僕が狼男を出現させてしまったかのような状況に、罪悪感が渦巻いた。
依然として、遠吠えは鳴り止まず、周りの人々は両耳を塞いでいた。僕も耳と塞ごうとしたのだが、顔を鉄のように堅い何かで覆われていて、耳の穴を閉じることは出来なかった。
やっと鳴り止んだら、スーツを着たおじさんが僕に言った。
「ヒーロー! あいつを倒してくれ!」
「い、いや。僕はヒーローじゃないんで」
「何を言っているんだ! 貴方はどう見たってヒーローじゃないか!」
「え?」
なにやら、僕とおじさんで意見の食い違いが生まれている。疑問思い、僕は自分の姿を確かめた。携帯と学校指定の鞄を持っている手は革製の黒い手袋を付け、腕は制服とは別の黒い衣装で包まれていた。
僕はガラスに薄らと映った自分の姿を見ると、黒い仮面を被り、黒い衣装を纏った黒の道化師だった。何年間もかけて、妄想してきたヒーローがガラスに映っている。
「ブラック・ジョーカーがいる」
と口に出してしまった。何が何だか、分からなかった。右手を動かせば、黒の道化師も僕の動きに合わせて動く。なんだ、これ? 妄想で生まれたヒーローがどうして、僕と同じように動くんだ? 僕は自分の顔を触ったが、仮面で素肌を触れなかった。……どうやら、僕は黒の道化師になっているらしい。何時の間に、この衣装に着替えていたのか分からないが、黒の道化師は僕なんだ。
だけれど、どうして……。
ヒーロー雑誌に載っていた記事を思い出した。
――人生を変えてしまうような運命的な出来事があったから、能力に目覚めたんだ。
そして僕は今さっき、人生を変えてしまうような出来事を体験してきた。……もしかしたら、僕は能力に目覚めてしまったのかもしれない。この姿がなによりの証拠だった。
だとしたらヒーローになれるのか?
この僕が?
当たりを見渡すと、多くの人が怯えていた。悪魔の恐ろしさは、数々の報道で世界中の人が知っているからだ。子供もいる。年寄りもいる。女の子もいる。ヒーローが参上する気配はない。――なら、僕がやるしかない。
「任せてください。ヒーローである、ブラック・ジョーカーがあなた達を護ります!」
その言葉が出るのに、迷いはなかった。
「少し、どいて下さい」
僕はおじさんに言った。おじさんは何も言わず、ただ僕に従い身を引いた。近くにいては危ないのだ。この黒き衣装の姿をしているということは、僕が黒の道化師になったのだろう。もしかしたら、真実の反逆という能力も備わっているはずだ。
「真実の反逆オン」
僕は能力のスイッチを入れて、試に、コンクリートで舗装された地面を優しく叩いた。すると、爆発音に近い音と共に、地面が大きく陥没した。実が逆転する能力なので、コンクリート程堅いものは容易に壊れ、弱く叩けば、強く叩くことになる。
僕は確信した。
――やれる。闘える。ヒーローになれる!
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
僕は持っていた鞄をそこら辺に投げた。そして、狼男に向かって気合の雄叫びをあげた。
狼男は耳を小さく動かし、僕を睨んで、長い舌で口を舐め回した。
本能で、最弱な獲物を見つけたのだ。
そう、僕は最弱だ。認めよう。
もしかしたら、泣いている子供よりも弱いんじゃないかって考えてしまう程、最弱だ。
だが、クーデターで僕は最強になったのだ。
「ここにいては危険です! 早く建物の中に!」
僕は周辺の人に呼び掛けた。避難訓練は学校でもしていることなので、周囲の人の対応は迅速だった。子供を抱きかかえて、すぐさま建物の中に逃げていく。
「さあこい」
狼男は七階建てのビルから、飛び降りた。砂埃を立てて、着地すると僕の方に、高速で突進してきた。牙をむき出しにして食らいつこうとしてきたが、あまりにも速すぎたので、僕にはスローモーションで見えた。僕はいとも容易く横に避けた。
狼男は空気を強靭な顎で噛んだが、虚しい音がするだけだった。
――ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ。
狼男は、間を入れず眉間に深くしわを寄せ、怒涛の咆哮を僕に浴びせた。粘り気のある唾液が仮面に何滴もついてしまった。
堅い覚悟が吹き飛んでしまうほどの恐怖だった。唾液で糸を引いている牙を見て、死を認識させられた。
む、無理だ。人を殴った事もない僕が、こんなのを倒せるはずがなかった。精神面は、そう簡単に鍛えられるものではない。僕という本質は、そんなに早く変わらないんだ。
とりあえず逃げる!
これは、もっと人気のない場所に誘導させるのが目的で、けっしてこの狼男を野放しにするつもりはない。あわよくば、他のヒーローが助けに来てくれたらいいんだけど、というか助けてくれ!
逃げたはいいが、狼男が追ってくる。
そろそろ、僕の体力も限界に近づいていたが、助けが来る気配はなかった。いつも、悪魔が出現する時は必ず登場するのに、今回に限ってどういうことだよ。
僕の悪い癖は現実逃避してしまうことだった。
……なにをやっているんだ。こんなのがカッコイイとでも言いたいのか。心底、無様だ。
これじゃあ、前と何も変わらないじゃないか!
逃避するんじゃない。
打破するんだ。
僕は背を向けるのをやめて、狼男と相対した。動きは見えているんだから、臆することはない。あの強靭な体つきをしているんだから、僕の打撃が入れば、狼男でも倒せる。いいや、狼男だから倒せるんだ!
突進してくる狼男に殴り掛かった。キレがない、刃こぼれしているパンチは空を切った。こんなパンチが俊敏な狼男に当たる訳がなかったんだ。
上半身に振り回され、身体が泳いでしまった。そして、狼男に腕を掴まれてしまった。僕は小石のように投げ飛ばされてしまった。
「いてて」
尻から思いっきり地面についてしまった。
拳が届かないなら、意味ない。
だったら、届くようにすればいいんだ。
視界にはタバコの捨て箱が置いてあった。僕はそれを持ちあげ、狼男に投げつけた。
宙に舞った灰とタバコを狼男は避けられない。
「犬の祖先は狼って言うしな。鼻はさぞかしいいんだろう」
思惑通り、狼男はタバコの臭いで苦しんでいた。
僕は拳を作り、よれよれとした殴打を狼男の顔面にくらわせた。狼男の顔面は軋み、自慢であろう牙は砕かる。牙の破片は淡い光となって僕に吸い込まれた。
悪魔を倒すと、悪魔は必ず淡い光なりヒーローに吸い込まれていく時もあれば、どこかに去ってしまう時もある。この光の正体を、多くの学者は暴こうとしてきたが、仮説の域でしかなく、未だに解明されていない。
「しまっ――」
光に気をとられていると隙を突かれ、狼男の反撃をくらった。刃物のような鋭利な爪で僕の掌は裂かれた。普通なら、切り落とされるほどの威力だったが、カッターナイフで切りつけられた程度の怪我で済んだ。だけれど、かなり痛い。
「この野郎! はあああああ!」
気合を入れ直し、狼男の太腿を蹴り、腹部を殴り、止めにアッパーで狼男を沈めた。狼男は光となり容を保てていない。蛍のように粒上の光がいくつも上に昇り漂っている。僕はヒーローたちの真似をして、手を当てると突然、僕の身体に吸収された。
「……終わったのか?」
肩の荷が下りた。「ヒーローは人の命を預かっている事と同義だ」と上位ヒーローが言っていたがまさにその通りだった。人数など関係なく、人の命は重すぎる。
気付くと、狼男が倒されたので民衆が外に出てきた。
感謝の掛け声と共に群衆が押し寄せてきた。
僕にはとても感動的で、刺激的で、この人たちを救ったのは自分だと誇らしかった。百近い歓声が僕に向けられているのだ。言葉一つ一つが、身体に当たっている。
マズイ。囲まれたら、逃げられなくなる。
……だけれど、後十秒だけここにいよう。
僕は声を掛けてくれる一人一人の顔を見た。皆、とてもいい表情をしていた。とても居心地がよく、十秒という時間があっという間だった。しかし、短すぎるのが丁度良かった。無駄に長すぎると、この衝撃的な経験が色あせてしまいそうだった。
僕は置いてあった鞄を持って、人の隙間を縫うようにその場を去った。感謝の声が途絶えることはなかった。
未練はない。この歓声は悪魔を倒せば、また訪れるのだから。
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僕はヒーローになったのか。
ほんわかと悪魔との対決を思い出していた。憧れの能力を手に入れ、強そうな狼男を倒したのだ。そして、勝利の後に贈られる喝采。
僕の妄想してきたのとは一味も二味も違う爽快感があった。
しかし、別の問題が浮上してきた。
人気のない路地裏まで来たが、この黒い衣装はいつから着ていて、どこから現れたのだろう。仮面を手で外そうとしても、頑丈な作りで取れなかった。
「どうやったらとれるんだよ。もしかして、僕は一生この仮面をつけたままなのか?」
呪いの仮面を被ってしまい、お調子者の緑の人間になってしまったという映画を見た事がある。まさか、僕も同じような運命を辿ってしまうのだろうか。
力を込めていたのが、ダメなのだろうか。クーデターで力を入れれば入れるほど、外れなくなっているのかもしれないと思ったが、それも違った。
「あー、頼むから、外れてくれ!」
僕が強く懇願すると、仮面と衣装が消えていつもの冴えない僕に戻った。
掌が痛むので、手を開けて見たら、血が僅かに流れていた。狼男と闘って出来た勲章のようなものだ。
「とりあえず、家に帰ろう」
興奮気味の感情に蓋をして、僕は駅に戻り、電車に乗った。
電車の中はわりと混んでいた。S校の制服を着ている高校生も多いが、サラリーマンやOLなども乗っていた。普段は、早めに帰るのでこんなに混んでいるのは久しぶりだった。席は全て埋まっていて、僕はドアの隅っこで立っていた。
最寄の駅に停車している頃には、かなり空いていた。
何十年も改築されていない古びた駅の改札に定期を通して、一歩踏み出すと、雨は突然降り出した。朝は曇り一つない晴天だった。しかし、電車に乗る頃には空模様が怪しくなりだし、駅を出て足早に帰ろうとしたら、小さな雨粒が落ちてきた。
僕は傘を持ってこなかったのでげんなりしていた。周りを観察してみると、どうやら天気予報で雨が降ることを知っていて、事前に傘を準備していたらしい。
深いため息を吐いていると、風が吹いたら揺らいでしまいそうな重量のない雨粒が、たちまち大きくなり、勢いを増していった。
「雨やまないかな」
お天道様に懇願すると、雨は止んだ。
意図的に断裂されたかのように、潔く雨は引いた。途絶えることのなかった雑音はなくなり、静寂を取り戻す。
雲行きは不安定なままだ。
星空が見たい。
一帯を覆っていた暗雲は引き裂かれ、漏れ出す月光は、僕に当てられた。慈悲深い光で身も心も解されていく。祝福を受けているかのようだった。そして、雨交じりの地面を踏み出した。
世界の中心がまるで自分。
こんなこと、今まで一度もなかった。
僕は、駐輪所に止めあった自転車に跨り、家まで全速力で漕いだ。平坦な道なのだけれど、坂道を漕いでいるような軽快さがあり、全く疲れない。
交通事故にあっても、構わない覚悟で、赤信号の道路を渡った。
「うわああああああああああああああああああああ」
半狂乱し、脳内麻薬が大量にでている。自動車と自動車の隙間を通り抜け、逃げ去るように、細い道に入った。
安城。いい事があったぞ。僕の人生も捨てたもんじゃない。君のお蔭だ。君のお蔭で、能力に目覚めたんだ。
「いやっほおおおおおおおおおおおおおお」
今の僕を阻めるのは、帰るべき場所くらいだろう。家が無かったらどこまでも、道を進んでいた。
自転車をマンションの駐輪所に置き、エレベーターで三階に昇った。鍵のついていない玄関の扉を開け、家の中に入る。
帰宅早々、リビングのソファーで寝転んでいた妹の萌に毒突かれた。
「なーに、ニヤニヤしてんだよ。気持ち悪い」
「え? してないって」
「してんだよ」
自然と顔が綻んでいるらしい。
ニヤニヤするのは無理もないか。
言いたい。
誰かに僕がヒーローになったのだと教えてあげたい。
大声で、僕が黒の道化師だと叫びたい。
ここは我慢だ。
例え、家族であっても秘密にしなければならない。
顔出しをしているヒーローもいるが、それだと、一般人の夢が削がれてしまうだろう。
仮面こそが象徴だ。
僕は自分の部屋に戻って、掌を消毒液で手当てを施した。狼の牙や爪には多くの細菌があるらしいのだけれど、元は人間だろうから、心配いらないだろう。
携帯で、お気に入りにいれてあるヒーロー速報を閲覧してみた。狼男の出現は記事にされていたが、それ以上の事は書かれていなかった。
「おかしいな。ブラック・ジョーカーの情報が載っていないぞ」
悪魔を退治すれば、非公認ヒーローになれると期待していたので、落胆した。
「デビューはまだまだ先ってとこか」
狼男を誰が倒したのか、一応、話題にはなっていた。
「ふふふ。倒したのはこの僕さ」
何故、ヒーローの姿になったのか解明したいが、今日は酷く疲れた。
明日、するとしよう。
時間はあるんだ。
僕は上段のベッドで深い眠りについた。




