生産技術の授業
「生産のぉ、授業です」
今日の生産技術という授業、担当は南禅先生。
「君たち、1点もの、大量生産、どっちが大変かわかるかい? 手をあげてみようか」
「そうだね。ほぼ同数に割れた。そういうことだね」
「結局、1点つくるのに人の手は必須。そのあと大量生産するのに機械を使うわけさ」
「でだ、"機械も"1から作ることになったら大変だね? そこで、いくつかの汎用機械っていうのがあって―」
ウチの父は、その機械を1から作るスペシャリスト。
納期を守るために家に居られない。
そのせいで、いままで学校行事などを見に来ていたことはない。
母は・・・・・・まあ、主婦として日々家事をこなしている。
「産業用ロボットなんて言うのが世の中に出回り始めて久しい。それでも柔軟な対応が求められる現場じゃあ人手が必要」
「ここからは授業内容から脱線するけども、人を雇うのと、ロボットを使うこと、メリットとデメリットを挙げてみようか?」
「まず人を使うメリット。そっちの端から1個ずつあげていって。パスも可」
先生は黒板にみんなが言ったことを書きだしていく。
一番多かった意見は、いろんな行動が可能というものだ。
これは機械と違って、様々な作業を1人でできるというメリットが一番大きいというものだった。
「次に人間を、機械と比較したときのデメリット」
「はい、お給料。世の中お金だ。お金なしで働いてくれる人なんてそういないよ」
1、お金が逐次かかる。
「おっ、いいのがでたねぇ。福利厚生。機械はそんなものいらないからねぇ」
2、福利厚生が必要。
発言した伊織は褒められて満足げだ。
「そうだねぇ。1人じゃ24時間は働けないよねぇ」
3、勤務時間。
24時間フル稼働となると普通は3交代とか4交代とかだろう。
その分お金がかかるし、人手もいる。
「全部手作業じゃあ同じ品にはなりにくいよねぇ」
4、品質。
単純なものならともかく、全く同じものを作るのは非常に難しい。
「そうすると、この問題もでるねぇ」
5、材料。
失敗が増えるということは材料も必要なものが多くなる。
「まあ、失敗を減らすために企業側も研修とかさせてくれるけど。バイトとかだとねぇ。そんな育成時間かけられないしなぁ」
「これでわかる通り、ロボットを導入するメリットは非常に多いんだ。それで、君たちの機械科や電気科は、それの修理で食っていけるのさ。全自動修理機能が開発されない限りは」
確かに先生の言っているとおり、入学パンフレットにもそういった就職先があって、普通科と比べれば高卒での就職先には困らないだろうと書いてあった。
「どれだけAIが発達しようとも、その中身を弄れる人は必要だ。そういった一番根本の仕事は絶対になくならない」
「そして、どれだけでもお金を貰える。他にできる人がいなければ。これからはゼネラリストはよほど優秀じゃあないと厳しいよ」




