相撲ロボット作成キット
「とりあえず、まずは、そうだねぇ。形から決めるのがいいんじゃないかな?」
「大会の動画を観る限りは、概ね台形の形が基本ですね」
初心者の私たちに先生が提案をくれる。
ということで、まずは外側の図面を描いてみることになった。
「幅が200㎜、奥行きも200㎜、高さは無制限ですけど・・・・・・」
「そこは物理とかの授業でもやったじゃん。高いと重心が上に行くから、なるだけ低いほうがいいっしょ」
丁寧な図面引きに定評のある鮎原が描く。
横からアドバイスをしたのは吉元だ。
「前がこう。左右は同じでいいですか? 底がこれで、あとは後ろ・・・・・・」
「これってさ、上側は斜めにくっつけるん?」
「あ~。上側はメンテナンスのために開けといて」
あーだこーだしながら図面が出来上がった。
正面、斜め、上から見た3面図だった。
「うん、オーケー。それで、そこにタイヤをつけたり、前にブレードをつけたり」
「うぇぇ。複雑そう・・・・・・」
「ラジコン用の受信機は出来てるのを乗せればいいから、そこだけ50㎜の60㎜スペースを開けておいてね」
先生は指で基盤の形を作って、さらに黒板に図で示してくれた。
「材料って何を使うんですか?」
「このアルミの板。軽くて加工しやすいからね。扱うとき、角は危ないから気を付けること」
でてきたのは授業でもよく使うアルミ板だ。
「さあ、まずは外観を作ろう。前面、側面×2、後面、底面の5枚。穴はあとからでも開けられるから」
「加工は誰がやるの?」
当然の疑問に、全員の顔が言い出しっぺの吉元の方へ向く。
「あ、ワタシ?」
「どうせ全員がやるんだから、今日はアンタがやりなさい」
「ほーい」
そういうことで、フライス盤での加工を吉元と先生でやりに行った。
残された私たち7人は、中身について話し合うことにした。
「片側あたり2輪だと安定性がなあ。3輪か4輪にする?」
「動画では小さな車輪を並べて6輪っていうのも見ました」
「そもそもタイヤってどうやって動かすの?」
「そりゃモーターでしょ、モーター」
「じゃあモーターもこの中に入れるんだ?」
「もちろん電池も必要だよ」
私は必要なものをホワイトボードへ書き出していく。
・モーター
・電池
・タイヤ
「どこで買えばいいのかな?」
「通販でいいんじゃない? 履歴とかの領収書あれば部費から出るんじゃないの?」
お金のかかる話を適当にやっていると後で困りそうなので、ちょうど戻ってきた先生に聞く。
「ああ、教材用のカタログが・・・・・・」
先生は職員室へと駆けていった。
数分後。
「廊下は走るなって怒られちった」
分厚い辞典のようなカタログを持ってきた先生。
「あっ、相撲ロボット用の組み立てキットだって!」
「1個買ってみる?」
「そうしようよ。これを組み立てて、動かしてからオリジナルを作っても遅くはないでしょう」
カタログに書いてあったコードを部活用タブレットで入力し、先生が学校宛にして注文してくれた。
これで数日後に届くらしい。
いったんオリジナルで作るのは保留にし、キットが届くのを待った。




