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第六十九話 コンビニにて
どうやら、偽王子君の異空間の調子が悪くなったらしい。
三日間、偽王子君と全然話ができていない。
私は、偽王子君に元気になって貰おうと、コンビニでお菓子を仕入れに行っていた。
「これとこれとこれとこれかな!」
私は、かごに偽王子君の好きなお菓子を選んで入れる。
突然、スマホがけたたましい音で昔流行った曲が流れ始めた。
私は、店内では迷惑がかかると思って、かけてきた相手の名前を見ずに電話に出た。
「……はい、蜜柑です」
『蜜柑ちゃん?』
私の脳天に衝撃が走った。
忘れるはずもない。この声は――。
「に、偽王子君!?」
偽王子君がスマホをかけてきた!?
私は、辺りを見回した。異空間なんてどこにもない。
「『蜜柑ちゃん、やっぱり俺の好きな食べ物ばかり買ってるんだね~』」
微かに笑ったようなその声。
スマホの受話器と、前方から、偽王子君の声が重なって聞こえた。
「『やあ、蜜柑ちゃん』」
「えっ……? 偽王子君……?」
そこにいたのは、異空間の偽王子君ではなかった。




