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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――最終章 偽王子を取り戻して幸せな結末を確保せよ!――◆◆◆
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第六十四話 最後の手がかり

「そうかもしれない。でも、その妖精は、グラナート様を『手にかけようとして失敗して逃げた』ということになっている。だから、その妖精は指名手配されているよ」


『「な、なんだって~!?」』

「お姉ちゃんが犯罪者!? ウソでしょ!?」

『檸檬さんがそんなことするはずないと思うよ、俺は』

「そ、そうだよね……!」


 偽王子君の言うとおりだ。


『蜜柑ちゃん、何か、手がかりはない……?』


 月湯君が帰ったあと、私は姉の日記を一通り読んだ。でも、そこに手掛かりは書かれてない。


「あ゛~!」


 私は姉のベッドにダイブして、うだうだした。

 姉が犯罪者……? でも、濡れ衣を着せられている可能性だって捨てきれない。

 濡れ衣だったら、姉はとんだとばっちりだ。

 そうだ……。姉は犯罪者ではない……!

 私は確信を持って頷いた。

 あの落書きには、私に逃げるように警告してあった。姉が逃げるようなことがあったと推測される。

 だったら、姉は陥れられたと考えるのが妥当だ。

 でも、どうやったら無罪を証明できる?

 現に、姉はどこにもいないのだから。


「お姉ちゃん……、私はどうしたら……」


 その時、脳裏を記憶の断片がよぎった。


「そ、そうだ!」

『どうしたの? 蜜柑ちゃん?』

「偽王子君、ずっと前に余弦城に行ったとき、お祭りだったでしょ?」

『そうだったね、蜜柑ちゃんとでーとしたよね!』

「その時、グラナート様のお部屋にお姉ちゃんの落書きがあって」


 確か、落書きにはこう書かれてあった。


「【蜜柑! 私の快晴国にある店の引き出しに私の手紙がある! なので、目をかっぽじって読め!】って……!」

『そ、それだよ、蜜柑ちゃん!』

「うん! すぐに、快晴国の姉の店に飛ぼう!」


 私は、すぐに快晴国の姉の店に異空間の画面を転移させた。


 快晴国は風が強いようだった。静かな店の中で、姉の店の窓がカタカタと音を立てている。すぐに、姉の店の中に異世界トリップした。そして、姉の机の引き出しを一つ一つ開けて行く。


「あった!」


 机の三番目の引き出しに姉の手紙が入っていた。

【蜜柑へ】と日本語で書かれてある。


『蜜柑ちゃん! 早く読んで!』

「う、うん!」


 私は、すぐに封筒を開けて便せんを取り出した。

 ここには、姉の尖った文字でこう書かれてあった。


【蜜柑へ。私は、余弦国のグラナート王子と婚約することになった】


「やっぱり、お姉ちゃんはグラナート様と結婚する予定だったらしいよ」

『それから、なんて書かれてあるの?』

「それから……」


【しかし、私を狙う者が居る。妖精だかららしい】


「えっ? お姉ちゃんを狙う者が居たようだよ!」

『やっぱり、檸檬さんがグラナート様を襲おうとしたわけじゃなかったんだね!』

「うん!」


【蜜柑。私はもうすぐ葬られるかもしれない】


「えっ!?」

『どうしたの、蜜柑ちゃん?』


 私は、偽王子君の問いに答えないで次を読んだ。


【だから、蜜柑が私の仇を取ってほしい】

「……っ」


 私は下唇を噛んだ。


【私を葬ろうとしている人物の名前を教えよう】


 私は、ごくりと喉を鳴らした。


【それは――】


「ッッッ!」


 このひとが私の姉を手にかけたというのか……!

 負の感情が私を支配するようだ。

 私の目から怒りに染まった涙が流れ出た。


「わかったよ、お姉ちゃん! 私がお姉ちゃんの仇を取る!」

『えっ!? か、仇って!?』


 偽王子君が私の物騒な言葉に、ギョッとしたように異空間を震わせていた。

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