第五十九話 第二王妃様と国王様……!?
「こ、ここは……?」
「私の姉の部屋です」
メープル第二王妃は安堵したように息を吐いていた。
私は、第二王妃様の擦り切れた足を手当してあげていた。傷口に薬と絆創膏を貼っていく。
「これで大丈夫です」
「ありがとう。助かったのは良かったのだけど、私はどうすればいいのか……」
第二王妃様は、辛そうだ。いや、もう、第二王妃様ではないのか……。
私は、夢見国の国王様の言葉を思い出していた。
「メープル様、今から夢見国に行きませんか。夢見国の国王様が、亡命を手助けしてくれるそうです」
メープル様は戸惑っているように瞳を揺らしていたが、力強く頷いた。
「分かりました!」
そして、私は、メープル様を夢見国の迎賓館に異世界トリップさせた。
私もついでに、半トリップだ。
「よ~し、上手く行ったぞ!」
『良かったね、蜜柑ちゃん!』
「うん! 偽王子君もありがとう!」
メープル様は、アレクシス様を見つけると、嬉しそうに駆け寄って行った。
アレクシス王子は、メープル様のボロボロな姿にギョッとしている。
「第二王妃そのお姿どうされたのです?……いや、母上と言った方が正しいのかもしれませんが……」
「私は大事ありません。アレクシスも無事で何よりです。このまま、母と夢見国で亡命しましょう」
「……分かりました。その方が良さそうですね」
『いやぁ、良かったね~!』
偽王子君は感動して涙声だ。私も感動的な結末に満足だ。
「王子様ではなくなったというのは残念だけど、あんなところで暮らすよりずっとマシだよね~」
私が力強く頷いていると、向こうから夢見国の国王様がやってきた。
「夢見国の国王様にも感謝しなくちゃいけないよね~」
しかし、事の顛末はこれで終わりではなかった。
立ちすくんでいるメープル様と国王様の姿。
なんだか、妙な空気だ。
「な、なんだ……?」
メープル様の右目から涙が零れている。
「ま、まさか……!?」
『もしかして……!?』
私と偽王子君の予感を肯定するように、メープル様と国王様は駆け寄って行った。
そうして、二人は抱き合い、口付けを交わしていた。
『「な、なんだって~!?」』
アレクシス様はご存じなのか……?
隣のアレクシス様を見ると、その光景に瞠目したまま口を半開きにして固まっていた。
どうやら、アレクシス様も何も知らないようだった。




