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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――第五章 第二王妃様と王子様を窮地から救い出せ!――◆◆◆
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第五十七話 魔霧ノ森……!?

 私は、再び宝玉国に異空間を転移させた。

 姉の部屋から地下牢を見ていた。しかし、そこにいるはずの人物がいない。


「あ、あれ!?」

『第二王妃様は!?』


 私と偽王子君は、唖然となっている。

 まさか、もう処刑されてしまったとか……!?

 私は、怖くてその事実が言えなかった。

 青ざめている私に、後ろからテノールの声がした。


「それがね……?」


 月湯君が、姉の部屋に半トリップしていることにようやく気付いた。


「な、なんで、第二王妃様が居ないの?」

「余計なことをしたかな?」


 どうやら、月湯君が事情を知っているらしい。

 そして、月湯君が何かしたようだ。


『余計なことって、何をしたの?』


 私は恐々と尋ねた。口の中が緊張で乾いている。


「ローズ第三王妃にね、蜜柑ちゃんの頼みだからって言って、メープル第二王妃を逃がして貰えないか頼んだんだ」

「ええっ、第三王妃様に!?」


 月湯君に騙された第三王妃様が助けてくれるとは思えないけれど。


「うん、そしたら――」


『蜜柑殿の頼みなら、是非とも協力しよう!』


「――と言って、一時間前に馬車で第二王妃様を逃がしてくれたよ?」

「ほ、本当に!?」


 第三王妃様、まじ感謝!

 もしかしなくても、第三王妃様ってめっちゃいい人だったのか!


『流石、月湯君だね! 俺は助けてくれると思っていたんだ~!』


 偽王子君は、ひとを見る目がある。私はてっきり、月湯君が何か企んでいると思っていた。私は、偽王子君を尊敬した。偽王子君は、ただの可愛い異空間じゃなかったのか。


「でも、逃がす場所がないから、魔霧ノ森の方角に逃がすようにお願いしたよ?」


 私と偽王子君の時が止まった。


「ま、魔霧ノ森……ってなんだっけ?」


『確か、磁場が狂っていて方角が分からないし、霧がかかって一寸先も見えないから、入ったら十中八九迷って出てこれなくなるっていうあの……』


「魔霧ノ森!?」


 はああああああああああああ!?


『なんで、よりによって!?』

「な、なんで、魔霧ノ森に!? 西の森だってあるでしょ!?」


 月湯君はあっけらかんと他人事のように笑っている。


「今だって、第四王妃様が馬車で後を追っているよ。西の森だったらとっくに見つかっていたかもね!」


 だったら、良いのかもしれないけど……! でも、魔霧ノ森って……!


『でも、第三王妃様は良い人だったね。魔霧ノ森なら絶対に見つからないね~』

「でしょ?」


 偽王子君は月湯君と同調して、安心したように笑い声を立てている。

 あ、頭痛くなってきた……!

 明らかに、暢気に笑っている場合じゃない。

 魔霧ノ森に迷った場合の事を考えてないのか。


「絶対に見つからないなら、私たちだって見つけることは――」

『できるでしょ? 蜜柑ちゃんなら』


 えっ? 私ならできるとはどういうことだろう。

 あっ……! 私は可能性に気づいて、声を上げた。


「そ、そっか!」


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