第五十五話 陰謀
『それがすべての答えだ! すぐに故郷に帰れ!』
『こ、国王陛下! これは何かの間違いです! 誰かが、私の事を陥れようとしているのです!』
『連れて行け!』
異空間の先は騒然となっていた。私は言葉も出ない。
『国王陛下――――ッ!』
王妃様が涙ながらに衛兵に引きずられていく。
騙したことが余程許せなかったのか。国王様は涙を流していた。
『第二王妃も、故郷に帰してやれ……』
国王様がかすれた声でそう告げた。元気があまりない。
『っ……!』
そのまま、国王様は倒れてしまった。よほどショックだったのだろう。
辺りは騒然となった。
『国王陛下をベッドにお連れしろ!』
オルタンシア第四王妃が声を荒げて衛兵たちに命令した。
国王様は意識がないようだ。そのまま、ベッドの方に運ばれて行った。
私は、オルタンシア第四王妃の顔が僅かに歪んだことに気づいた。
そのまま、国王様のお部屋を出て行く。そして、何事かを国王様と話した後、衛兵たちに指示を出した。
『国王陛下のご命令である! 第二王妃を捉えて、地下牢に入れろ! アレクシス王子が帰還した後、一緒に処刑してしまえ!』
『「な、なんだって~!?」』
私は、第二王妃様の安否が心配で、異空間を転移させた。
第二王妃様は衛兵に連れられて地下に入って行くところだった。
「入れ!」
第二王妃様が地下牢に入れられた。鉄格子の冷たそうな部屋だ。
「アレクシス……」
第二王妃様は、寂しそうに我が子の名前を呟いている。
「ともかくは、無事なことが分かってよかったけど」
『ぐずぐずしてられないよ、蜜柑ちゃん』
「で、どうする? アレクシス殿下にご報告するの?」
月湯君が冷めた様子で訊いてきた。そんなこと言われなくてもわかってる。
「すぐにご報告だよ!」
私はむきになって言い返していた。




