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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――第五章 第二王妃様と王子様を窮地から救い出せ!――◆◆◆
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第五十四話 敵か味方か3

 なるほど、月湯君だったら、近衛兵に見つからずに盗み聞きできる。

 第四王妃様に王妃様の日記を手渡すことだって容易だ。

 私は体を起こしてその場に座りなおした。


「蜜柑さんが、ヘマしたからね。せっかくだから掻きまわしてあげようと思ってね!」


 見張られていたのか……!

 月湯君の物言いに、私は怒り心頭に発した。


「なんで、余計なことするかな! アレクシス様のお命が狙われたらどうするの!」


 でも、偽王子君の冷静な声が返ってきた。


『……俺は、月湯君が手助けしてくれていると思う』

「な、なんで? ザーフィア様のおふざけに付き合うような月湯君だよ?」


 私の発言に月湯君は吹き出した。


「酷い言われようだね?」


『でもね、俺は思うんだ。アレクシス様はご公務で宝玉国にいない。助けるなら今が動くときと月湯君は考えるんじゃないかな』


 な、なるほど……! 偽王子君はやっぱり頭の回転が速いな……!

 月湯君も、偽王子君の異空間を一目置いたように見ている。


「……買いかぶりすぎじゃないかな?」

『そうかな?』


 でも、私はまだ月湯君が信用できない。


「そうだよ!」


 私は語気を強めた。


「よりによって、第四王妃様に言うのはおかしいよ!」


 第四王妃は王妃様の事も第二王妃様の事も、ライバルとしか認識していないはずだ。蹴落とそうとするのは、目に見えて分かることじゃないか。


「……妃殿下に言うよりはいいと思うけどね」

「た、確かに……!」


 王妃様に言ったら、第二王妃様は暗殺されるやもしれない。でも、第四王妃様に教えても、自殺行為じゃないのか?


「ほら、見てご覧? 国王様は怒りマックスだよ」

「や、ヤバいんじゃ……」


 月湯君は、やはり掻きまわしたいだけなのか。

 国王様は顔を真っ赤にして怒っている。

 どうやら、王妃様の日記を全て拝読したらしかった。


『許せん! すぐに、アレクシス王子の爵位を剥奪せよ!』

「ええっ!? あんなに、仲が良かったのに……!?」


 なんで、真っ先にアレクシス王子に怒りの矛先が行くんだろう。

 そんなに、国王様と王子様の関係は希薄なものだったのだろうか。


『国王陛下、妃殿下がお見えです』


 メイドがやってきて、王妃様を部屋に通した。


『国王陛下、ご気分が優れないのですか? お顔色が……』


 王妃様は国王様を見るなり、体調不良と判断したようだ。

 しかし、心配そうな王妃様に国王様は言い放った。


『お前と離縁する!』

『な、何を仰っているんですか……!?』


 国王陛下は、床にノートを投げ捨てた。

 それは、王妃様の日記帳だった。

 王妃様の顔が一気に青ざめていた。


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