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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――第五章 第二王妃様と王子様を窮地から救い出せ!――◆◆◆
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第五十三話 敵か味方か2

 翌日、アレクシス王子は馬車に乗って夢見国に渡った。パトリック執事もアレクシス王子のお世話の為に同行したようだ。


 無事にご公務を果たされることを、私は祈っている。王子様は頭が切れるので、外交も上手いのではないかと、私は推測している。

 SPが大勢付いているので、アレクシス王子の安全は保障されているようなものだ。

 むしろ、王子様が宝玉国の宝玉城にいた方が危険だというのは皮肉な話だ。


 さあ、私は宝玉国の方を調査しなくてはいけないな。

 私は姉の部屋から異空間に向き直って、偽王子君に話しかけた。


「これからどうする、偽王子君?」


 異空間の偽王子君は、落ち着いていた。


『蜜柑ちゃん、やっぱり国王様のお部屋を見張っていた方が良いんじゃないかな?』


 ごもっともなご意見だ。


「そうだね! 第二王妃様の秘密を知ったら、やっぱり国王様の方に誰かの報告が行くかもしれないからね!」


 私はすぐさま、国王様のお部屋に異空間を転移させた。


『第四王妃、それは本当なのか?』


 画面を覗いて、私はギョッとした。


「えっ、もう始まっているよ!?」


 私は思わず声を上げた。

 連続ドラマを見逃してしまいそうになったときと似ている。国王様に話しているのは、第四王妃のオルタンシア様だ。


『もしかして、聞き耳立てていたのって第四王妃様なのかな?』

「そうなのかも……」


 私と偽王子君は、食い入るようにして見守る。

 第四王妃は不敵な笑みを隠して一礼した。


『はい、本当でございます。国王陛下』


「どうやら第四王妃様が聞き耳を立てていた犯人みたいだよ」

『そうだね』


 でも、あの時、近衛兵はちゃんと見張っていた。

 どうやって、聞き耳を立てれたというのだろう?

 そんなことを考えているうちに、国王様の動揺が激しくなった。


『し、しかし……。私とアレクシス王子に血のつながりがないとは、とても信じられない』


「半分は信じている辺り、相当オルタンシア第四王妃にお熱らしいね」

『だね~』


 アレクシス王子への愛情は天秤にかけられるものだったらしい。

 なんだか、ガッカリだ。


『これが、証拠の王妃様の日記でございます』

「なっ!?」


 私は吃驚仰天した。その王妃様の日記には番号が『その一』と振られてある。今まで、私が拝借していた日記だ。


「そ、それ……! 私が今朝、王妃様の部屋にこっそり返した日記帳だよ……!」

『しっかり、覗かれていたということだね……!』

「でも、一体誰が……?」


 それは、今まで私と偽王子君が監視されていたということに他ならない。そんな離れ業をできる人間なんているのだろうか。

 でも、ウワサをすれば影というのは本当なのだろう。姉の部屋の私の隣に異空間が開いて手がにゅっと伸びてきたので、私は吃驚して尻餅をついた。


「……ッ!? よ、妖精!?」

「僕だよ、僕」


 飄々として現れた妖精に、私と偽王子君は思わず声を上げていた。


『「月湯君!?」』


 それは、妖精の月湯君だったのだ。


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