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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――第五章 第二王妃様と王子様を窮地から救い出せ!――◆◆◆
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第五十一話 とんでもない告白

 先回りして、アレクシス王子のお部屋に戻ってきた。

 王子様はパトリック執事と一緒に書類をチェックしていた。


『これが、公務の書類か?』

『左様でございます。早速、殿下にご公務を託されるということは、国王陛下は殿下を頼りにされているということではないでしょうか!』

『そうか……』


 アレクシス王子は手を額にやって、ため息をついている。

 心配そうに、パトリック執事は王子様の御顔を覗き込んだ。


『ご気分が優れないようですね……?』

『いや……。大丈夫だ』


 アレクシス王子は真実を知ってしまったからショックが大きいのだろう。

 ワザとではないと言え、酷なことをしてしまったと私は気に病んでいた。


 唐突に、ノックの音がした。第二王妃様が来たのだろう。


『こんな時間に何のご用でしょうか?』


 今の時刻は夜の七時ぐらいだ。パトリック執事がドアの方へ歩いて行った。

 そして、ドアを開けて何事か外の者と会話を交わすと、アレクシス王子の方に戻ってきた。


『アレクシス殿下、メープル様がお越しですが』

『第二王妃が……? 通せ』

『かしこまりました……!』


 再び、パトリック執事がドアの方に歩いていく。

 そして、戻ってきたときにはメープル第二王妃とメイドのアリスを連れて来ていた。


『アレクシス殿下、実は折り入ってお話がございます』


 メープル第二王妃とメイドのアリスはアレクシス王子の前で恭しく一礼した。


『折り入って……? 何だ?』


 アレクシス王子は怪訝そうだ。

 面倒事はお腹いっぱいという顔をしているが、この者たちはそうはいかないのだろう。


「一体何を話すんだろ……?」

『まさか、自分が母親だって言いださないよね?』

「あはは~、まさか~」

『だよね~、そんなわけないよね~』


 私と偽王子君は朗らかに一笑した。


『実は、私がアレクシス殿下の実の母親なのです!』


 メープル第二王妃のとんでもない告白のせいで、私はひっくり返りそうになった。


「えええええええええええええええ!?」

『ほ、本当に本当なのかな……?』


 この張りつめた空気が、真実そのものだ。

 アレクシス王子の口元が引きつっている。


『な、何を言い出すんだ……!』


 アレクシス王子のお気持ちはよく分かる。

 私がまいた種とはいえ、それが芋づる式に繋がって出てくると胸焼けがする。

 もう食べれないと拒絶する私と偽王子君。そして、張本人のアレクシス様。

 そんな私たちに、メープル第二王妃は追い打ちをかけた。


『私が! 私が、西の森で産気づいて一人で産んだのです!それから、西の森の小屋で赤ん坊を一人で育てておりました!』


 ま、まさか……!


『そんな時、街に買い出しに出かけた時に、その子がさらわれてしまったのです!』


 妙に王妃様の日記とリンクしているような……。

 嫌な予感が……。


『私は必死で探しましたが、アレクシス王子は見つからず。でも、ある時、新聞に王妃様ご出産の記事が載ったのです。私は我が目を疑いました。その殿下の二の腕には私の息子と同じ星形のほくろがあったのです』


「な、なんだって~!?」


 星形のほくろって、王妃様のメイドが拾ってきたっていうあの赤ん坊の……!?


『でも、そんな偶然ってないよね?』

「ないよ、ないない!」


 でも、メープル第二王妃は私たちにムチを打つように真実を披露した。


『私は、メイドの下働きに応募し、国王様の御眼鏡にかない、第二王妃になったというわけです』

『そんな作り話、私が信じるとでも……』


 アレクシス王子の顔が引きつっている。

 作り話だと一笑に付すしかなす術がないのも良く分かる。

 しかし、第二王妃様は、写真を取り出した。古びた写真だ。


『これを見てください。私と赤ん坊の写真です。二の腕に星形のほくろがありますよね?』

「ま、まじで~!?」


 異空間の角度を変えてそれを見ると、確かにアレクシス王子の二の腕には星形のほくろがあった。

 アレクシス王子は複雑な顔をして固まっていたが、唐突にふらりと倒れ掛かった。


『アレクシス殿下!? 大丈夫でございますか!?』

『あ、ああ……! ちょっと、眩暈が……!』


 アレクシス王子はパトリック執事に支えられている。

 そりゃ、倒れるわな……!


 私も、責任を感じてしまう。

 本当に、世の中知らない方が幸せなことって山ほどある。


 でも、第二王妃様が母親なら、父親は一体誰なのだろう……?

 平民の子だというのだから、きっと平民の男の人なのだろうが。


 その時、ドアが閉まるような音がして、私は異空間をドアの方に向けた。


「な、なんか、物音が……?」

『蜜柑ちゃん、早く確認を!』

「う、うん!」


 私は異空間を移動させて、ドアをすり抜けた。

 近衛兵がしっかりと番をしているほかは、変わりがない。


「いない……? 気のせいかな……?」


 でも、そこはかとなく、嫌な予感がするのは気のせいだろうか。


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