第四十二話 アレクシス王子の鑑定
せっかくだからと、私と偽王子君はアレクシス王子にご報告することにした。
「アレクシス様、というわけなんです」
私は、アレクシス王子に腕輪を見せた。
「これが、妖精月湯の……」
が、すぐに返されたので、私は自分の腕に腕輪をはめて喜んでいた。
アレクシス王子は、パトリック執事に「あれを」と、指示を出した。
「かしこまりました、アレクシス殿下」
パトリック執事は、引き出しから何かを取り出すと、それを手に戻ってきた。
そして、アレクシス王子に手渡した。
「これを見てくれ」
「この腕輪が何か?」
それも腕輪だった。勿論、私のとは違うデザインの腕輪だ。
『どうかされたんですか?』
偽王子君もアレクシス王子の意図することが分からないようだ。
アレクシス王子は私の腕輪の横にその腕輪を翳した。
「月湯から貰ったという腕輪と私のこの腕輪、模様が同じだ」
『そう言えば、幾何学的模様みたいなのが似てますね』
「この腕輪は、余弦国の使者から頂いたものなんだ」
「えっ、余弦国の……?」
何故、宝玉国のものではないのだろう。ましてや他の国でもない。
何故に、余弦国……?
『蜜柑ちゃん、何か嫌な予感がするよ?』
「だね、余弦国の模様っていうのが、引っかかるよね」
余弦国のザーフィア王子から予言を受けたことも妙に引っかかる。
余弦国っていうキーワードが。
『そういえば、国王様に月湯君が渡していた壺にも、この模様が入っていたような……』
「蜜柑……!」
いきなり、アレクシス王子が私の手を取って声を上げたので、どぎまぎして手を引っ込めようとした。でも、アレクシス王子は私の手を取ってまじまじと見ている。
「な、ななな、なんですか、アレクシス様……!」
『はわはわ、蜜柑ちゃんが……!』
私は、気が気でない。
「蜜柑のこの腕輪、私が余弦国の使者から頂いたものよりも高価なものだぞ。これは、国宝級の……」
「な、なんだって~!? この腕輪が国宝級~!?」
私は腰を抜かしそうになった。
ど、どういうことだ?
なんで、月湯君がこんな国宝級の骨董品を沢山仕入れることができるんだ?
『嫌な予感がします!』
「ちょ、ちょっと待ってくださいね!」




