第二十八話 ローズ様の条件
その翌日のことだ。
何気なく異空間の画面をアレクシス王子の部屋に合わせていた。
すると、アレクシス王子の部屋で話し声がしていた。
それは、ギルバート王子ではない。
ローズ第三王妃がアレクシス王子のお部屋に訪ねて来ていた。
『第三王妃……?』
『お久しぶりですわね、アレクシス殿下』
待っている間は腹に一物あるような表情だったが、アレクシス王子が現れた途端、ローズ第三王妃は綺麗な愛想笑いを浮かべていた。
「なにか企んでいることは確実だよね」
『う、うん……』
あのローズ第三王妃だから油断ならないのだ。
以前、ローズ様は野望があると口にしていた。
それが、引っかかっていて、素直に喜べない。
『願い星がご所望のようですが……』と、ローズ第三王妃。
『おお! 願い星を用意してくれたのか!』
『お渡ししても良いですが、私の交換条件を呑んでもらえませんか?』
ローズ第三王妃は不敵に微笑んだ。
「交換条件!?」
『なるほど……ローズ様の考えられそうなことだね』
私は、アレクシス王子がどう出るのか静観していた。アレクシス王子はローズ第三王妃から目線を外すと、嘆息した。
『できるかできないかは内容によるが……』
「アレクシス様は押しが弱いんですが……!」
丁度パトリック執事がお茶をもって現れた。アレクシス王子はローズ第三王妃に椅子に座るように勧めた。お二人は着席して話し始めた。
『交換条件とは簡単なことです。ある薬草を手に入れてもらいたいのです』
『薬草だと……? どうして薬草が必要なんだ?』
『病にふせっている友達がおりまして……。ある高価な薬草が必要なのです』
『そうか……第三王妃も大変なのだな……』
私は拍子抜けして、異空間の中につんのめりそうになった。
「い、意外と善良なことだったね!」
『うーん、でもなんとなく引っかかるような……?』
「だよねぇ……」
私の心境としては、闘牛が闘牛士に上手く操作されて怒りを消された気分だ。だから、非常に心が晴れ晴れとしない。
『私の力だと手に入れられなくて……アレクシス王子のお力が必要なのです!』
『分かった。私もできる限りのことはしよう』
『アレクシス殿下、ありがとうございます! では、薬草と交換できる日取りが決まりましたらお知らせください』
『ああ、分かった。後日連絡しよう』
アレクシス様はやはり引き受けた。善良な王子様だから、この判断は予想できないこともない。でも、悲しいことに、それもすべてローズ第三王妃に読まれている感じがする。
『さて、どうなるかな……?』
「でも、ローズ様の好きにはさせないぞ!」
『そうだね! 俺らで阻止しなくちゃね!』
「ふぁいと~!」
『お~!』
ローズ様の陰謀を打ち砕くために、私と偽王子君は決意を新たにしたのだった!




