第二十七話 ローズ様の企み
『母上、兄上からお手紙を頂きました!』
嬉しそうにギルバート王子はローズ第三王妃に報告した。
『ほう? あのお飾り王子様から何のご用なのだろうな?』
兄を慕うギルバート王子に対して、ローズ第三王妃は嘲るように答えている。
「う、う~ん……」
『これは……なんというか……』
『面白いことが書かれてあります。兄上は願い星をご所望だそうですよ』
『願い星を? あのガラクタをか!』
それを聴いたローズ第三王妃は、大笑いしている。
アレクシス王子が嬉しそうにペンを取っていた事が思い浮かび、私は何とも言えない気持ちになった。
「願い星を馬鹿にするな! それに、アレクシス様の方がお前らよりよっぽど頼りになるんだからな!」
『それに、アレクシス様は俺の為を想ってお手紙を書いてくれたんだからな!』
「そうだそうだ! アレクシス様はとても優秀でお優しい王子様なんだからな!」
『な~っ!』
「なっ!」
私は、改めて異空間の前に座りなおした。
その時、ローズ第三王妃が笑みを歪めた。
『しかし、ギルバート。この好機を利用しない手はないぞ?』
紙屑をぶつけられたのに、ローズ第三王妃は蛇のような顔をしてギルバート王子の耳元で何かを囁いている。
「……何か企んでるね!」
『一体なんだろうね……?』
「むむ……! 聞き取れない。困ったぞ……?」
私と偽王子君は、注意深くローズ第三王妃とギルバート王子を観察していたが、大した情報は得られなかった。
絶対に、アレクシス王子に良くないことに違いなかった。それでも、偽王子君を助けることのできる絶好の好機に違いない。
一挙両得になる方法はないか思案に暮れるが、ローズ様が何を考えているのか分からず仕舞いでは、良い考えが浮かぶはずもない。
私は、ため息をついた。姉の部屋の天井を成す術もなく見上げるのだった。




