マイクの前で固まるちくわ、声が出ない!?
ラジオスタジオの扉が開き、ちくわは控室からスタジオ内を見渡した。
見慣れない機材、無数のマイク、そしてディレクターや音響スタッフの真剣な表情。
「大丈夫……大丈夫……ぼく、声を出せばいいんだ……」
でも胸の鼓動は速く、喉がカラカラに乾き、足元も少し震える。元ハムスターだった頃の感覚が蘇り、小刻みに体が揺れる。
凛は横で深呼吸を促す。
「ちくわ、リラックスして。自然に話せばいいから」
ちくわ「う、うん……でも……どうやって元ハムスター感を声で出せば……」
凛「……いや、そこは無理に考えなくていい……自然に任せて」
控室には差し入れのひまわりの種も置かれている。ちくわは小さくつまんで、安心のために頬張る。
「ふぅ……これで少し落ち着いた……」
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スタジオ入り。
目の前には巨大なコンデンサーマイク、ヘッドフォンをつけたディレクター、音量を調整するスタッフ、そして観覧席には少数の関係者。
「うわぁ……大きい……光もまぶしい……」
ちくわは耳をピンと立て、小さく後ずさり。
元ハムスター的本能が「ここは安全か?」と反応している。
MCの合図でカウントダウン開始。
「5、4、3、2、1……生放送スタート!」
ちくわの目がパチパチと瞬く。
口を開くが、声が出ない。
「えっ……あ、あの……」
体は固まり、耳だけは動いて緊張を表現する。
凛は小声で耳打ち。
「大丈夫、ゆっくりでいいから。焦らない」
ちくわは目を閉じ、ゆっくりと息を整える。
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数秒後、ちくわはか細い声で自己紹介を始める。
「ぼくは……元ハムスター……ちくわです……」
MC「おお、しっかり言えました!」
ディレクター「よし、まずはクリア!」
スタッフもホッとした表情を見せる。
ちくわは小さく肩を震わせながら、控室で練習した元ハムスター的声のリズムを思い出す。
「次は質問コーナー……声だけで表現するんだ……」
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質問コーナーが始まると、画面にはリアルタイムのチャットコメントが流れる。
「今日一番楽しかったことは?」
「元ハムスター感、出てますか?」
ちくわは小さなジャンプで机の端に手をつき、声を張ろうとするが、緊張で咳き込みそうになる。
凛「ちくわ! 咳はダメ! 落ち着いて!」
ちくわ「あっ、すみません……でも楽しい……!」
MC「元ハムスター感、しっかり出てますよ!」
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ちくわは声の高低やリズムを意識し、手元のメモを見ながらリアクションを工夫する。
「えへへ、びっくりした!」「わぁ、楽しい!」
元ハムスター的な反応を声だけで表現しようと、呼吸や声の震え、間の取り方まで意識する。
スタッフも凛も、笑いながらサポート。
「……どうしてこんなに予測不能なんだ……」
ディレクター「でも、これが面白いんだよな……」
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ラジオ放送終了間際、ちくわは息を切らしながらも満面の笑み。
「ふぅ……楽しかった……!」
MC「これで生放送終了です! ちくわくん、声だけで伝説を作りました!」
凛「……やっぱり、あなたは予測不能すぎる……」
リスナーのコメントは大爆笑の嵐。
「元ハムスター感が声だけで伝わる!」
「天才すぎる!」
「次回も絶対聴く!」
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こうして、ちくわの初ラジオ出演は、声だけで元ハムスター的リアクションを表現し、スタッフや凛も翻弄されながら、リスナーに大爆笑を届ける伝説の回となった。




