スタジオ初登場!ちくわ、カメラに固まる
テレビ局のスタジオ。
初めてのバラエティ番組出演に、ちくわは楽屋でドキドキしていた。
「大丈夫……大丈夫……ぼく、ぼくらしく……」
しかし心臓の鼓動は早く、手(?)が震える。
ひまわりの種を確認して安心するが、緊張は収まらない。
⸻
凛が控室に入ってきて、最後のチェック。
「ちくわ、スタジオでの流れは理解してる?」
「うん! カメラの前で元ハムスターアピール……!」
「……そうだけど、まずは自己紹介だよ」
ちくわは小さく頷く。
「自己紹介……元ハムスターです!」
凛は目を丸くして小声でつぶやく。
「……まあ、これも個性のうちか」
⸻
いよいよスタジオ入り。
照明が眩しく、カメラが何台も回っている。
ちくわは足がすくみ、しばらく固まったまま動けない。
MC「さあ、ちくわくん、登場!」
ちくわ「うわぁ……」
足を踏み出すが、次の瞬間、カメラの光に圧倒されてその場に座り込む。
スタッフ「……あぁ、やっぱり固まった」
凛「しょうがない……でも、どうにかするしかない」
⸻
カメラは容赦なくちくわを捉える。
観覧席の共演者たちは笑いをこらえつつ、ちくわの動きを見守る。
ちくわは小さく震えながらも、元ハムスター的本能で匍匐前進のように少しずつ前に進む。
「うぅ……進めない……でも……がんばる……!」
MC「おお、ちくわくん、なんとも愛らしい登場です!」
観覧席「かわいいー!」
固まっていたちくわの体も、少しずつ場に馴染み始める。
⸻
凛は内心ホッとしつつも、注意を欠かさない。
「ここからが本番……気を抜くな……!」
ちくわはぎこちなくも立ち上がり、笑顔を作ろうとするが、まだ目はキョロキョロ。
この初登場の光景は、まだ静かな混乱の序章に過ぎなかった。




