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やっぱり手術をする事になった次男  作者: 夏目 碧央


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6/8

退院~シャワーなし?!着替えもなし?!

 次男の退院日。化粧のできない私はマスクを家からして行った。それと、左目があまりにも赤くて他人から怖がられそうだから、サングラスもして出かけた。バスに乗っている間も、サングラス。目を見て避けられたら嫌だから。でも、サングラスをしている人もちょっと避けられがちだった。

 11時に退院だが、荷物の片づけを手伝ってもらいたいと言うので10時頃に着くように行った。何階の何号室か、東と西、どちらの病棟かなどをLINEで聞いた。部屋番号を聞いて5階だという事は分かったのだが、西か東かは分からないと言う。点滴の棒などに貼ってあるはずだと言ったのだが、今はもう点滴もしておらず、そういったシールを探したが見当たらないそうだ。

 毎回、病室には初日に行って、それからお見舞いだった。今回は一度も行っていない。もし病棟によってエレベーターが違うという事があったらどうしたらいいのか。

 次男に聞いても要領を得ない。いつもと同じエレベーターだと思うと言われたが、あの人はいつも緊急搬送されてそのままベッドに寝かされて別ルートで運ばれているから、私が病室に行く時に使っていたエレベーターに乗るのは退院した時だけだったのだ。一方通行。上から降りただけ。だから、同じだと言われても信ぴょう性が薄い。

 だが、受付で聞けばいい。そもそも、受付で名前などを書く紙に、西か東かに丸を付ける欄がある。丸を付けられないので聞くしかない。

「あの、病棟が分からないんですけど。」

そう言うと、書いた患者名を見て調べようとしてくれた。それで、病室の番号を伝えたら、調べる手を止めて、

「ああ、西です。」

と、教えてくれた。エレベーターはと聞いたら、そこの突き当りを右に、などと教えてくれた。どうやらいつものエレベーターだ。

 5階へ行くと、西が左、東が右という表示が目に飛び込んできた。なるほど、エレベーターは一つだわ。

 部屋は分かったが、ドアを開けて入ると全てのカーテンが閉まっていた。部屋番号を聞いた後、どのベッドかも聞いたのだが、その質問には答えてもらっていなかった。仕方なく、小さめの声で名前を呼んだ。

「次男。」

「はい。」

窓際だった。カーテンをそっと開けて覗き込むと、

「あ、ちょうど今着替えてて。」

と言われた。ズボンを履こうとしていたようだ。実は、私がエレベーターに乗っている間にベッドの位置を返信してくれていたのだが、見ていなかった。部屋に入る時に返信があったかどうか確認すればよかったか。まあ結果オーライだ。

 ズボンは履き替えていたが、上はまだパジャマだった。新しく買ったばかりのパジャマを着ていた。入院する前に、パジャマは前開きが良いと言われたそうなのだが、次男は前開きのパジャマを持っていなかった。パジャマはレンタルしない事にしてしまったそうだし、どうしようか、パジャマではないシャツを着るか、それともかぶりでもいいか?などと話し合ったが、結局Amazonで前開きパジャマを1着、急遽注文したのだった。間に合うように届いた。ありがたい。

 その、パジャマを着ていた。あれ?それは手術の日に着ていたのでは?そう思ったので、

「着替えてないの?」

と聞いてみた。そうだと言う。

「入浴はなし?」

と聞けば、やはりそうだと。手術の前日にシャワーを浴びてこのパジャマに着替えた後、四日間入っていないそうだ。うそー、私は一日入れないだけでも嫌だと思っていたのに。でもまあ、この人は入浴が好きではなく、出かけなかった日は入らない主義だから、ここから一歩も出ていないなら入らないのはむしろ楽でいい、と思っているのだろう。患部がお腹だからシャワーもなかなかね。しかし、肩よりも長い髪はべたついて見えるしボサボサ。退院する段になり、髪は結った。少しはマシに見えようになったか。

 少し動くのも大変そう。靴下を履く為に前かがみになるのも辛そうだった。これでは荷物の片づけはできないだろう。私が呼ばれたのも無理はない。私は目が赤いだけだ。病院内ならいいや、と思ってサングラスは外している。

「ほんとだ、赤いね。」

とだけ次男が言った。

 11時に退院と言われたが、どうするのか分からない。次男が、看護師さんが来てくれるはずだというので待っていた。待っていたが、11時を過ぎても誰も来ない。もう帰っていいのかな、などと思っていたら、11時15分頃に看護師さんがやってきた。それも、ちょうど次男がトイレに行っている間に。

「あ、こんにちは。」

焦ったわ。でもまあ、あちらも驚く様子もなく、明るい挨拶をしてくれた。そして、忘れ物がないか、確認をしてくれた。請求書をもらうのかと思ったら、それはないという事だった。診察券を出せばいいのだと。なるほど。

 荷物は全て私が持った。大きいリュックを背負い、普通サイズのリュックを肩に掛け、自分の荷物も反対側の肩に掛けた。やれやれ。ひ弱な母が全部持つとは。だが、次男は歩くのがやっと。腹筋に力を入れられないそうなのだ。痛くて。

 そう、傷を見せてもらったが、3カ所あった。どれも縫ってはいないそうだ。貼り付けた?1~2センチの傷だった。おへその上と、下腹の左右に。

 1階へ降りて、支払いをした。私の両目の手術・入院代を足したのと同じくらいの額だった。クレジットカードの限度額には引っ掛からなかった。ホッとした。

 またタクシーで帰った。今回は前回よりも少し遠回りだったのか、料金が高かった。


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