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合流

四象道人による魔術の連続発動により、訓練塔が一時修繕の為に封鎖されている。

大規模な、破損であるが建築科の学生により、三日で直るようだ。

たまに、訓練塔の破壊は起こるらしい。


今日は、一般学生との合流の日であり、少し緊張をている。

まあ、突飛な挨拶をしなければ、注目も集めないだろう。


高等科のクラスは、三クラスあり、俺とマルコメ君が同じクラス。

ブリジットとジュラが同じクラスになった。

一クラス二十名に満たない少数クラス。

それに、教養、実習の授業以外は、基本的には専攻が同じでない限り会う事はなさそうだ。

男女は、別学だがあぶれた三番目のクラスは、男女が同じクラスになってしまう。

僕とマルコメ君は、三番目のクラスになった。

まあ、女子が居ようがいまいが、あまり関係のない事なのだが。


高等科の学生は、高等科であることが分かるように、指定の制服が支給される。

男は、ブレザータイプの上着であり、それに合えば下は何でもいい。

俺は、無難い日本の高校生のように、ワイシャツ姿に、第一ボタンをあけて、緩く細めのネクタイ。

長ズボンに、革の靴というシンプルなものとした。


マルコメ君は、何故か短パンに、ベレー帽の様な服装で、まるで漫画家だった。


「自分こういうの緊張するっす!」


あの笑顔で言われると説得力に欠けるが、きっと君は友達一杯できるよ。

問題は俺だ。高校時代もあんまり友達いなかったしな……。


そして、学生指導の担任講師の四十前半くらいのやる気を全く感じられない、無精ひげの男に案内されて、マルコメ君から入室する。


ややざわつきがあった。

何のざわつきなんだよ。

おお、今度は俺の番だ。うっし!気合いれていかないとな!

こういう学園だ。

恐らく、力がモノをいうんじゃないのか。

たぶん、世紀末な奴らが闊歩しているに違いない。

逆らうにも、取り入るにも第一印象が大切だ。

ここで舐められちゃいけない。

鞄を肩にかけて、クラスメイトにガンを飛ばしながら入室する。

しかし、想像とは全く違く、みなさんピッシリブレザーを着こなしてらっしゃる。

ネクタイはちゃんと止めて。


真面目か!

おいおい、引っ込みつかなくなっちまったじゃねーか!

ざわ……ざわ……


「皆さん、自分はマルクスコメットという者です。途中から同じクラスになるわけですが、高等科卒業までよろしくお願いします!」

超良い笑顔で自己紹介を済ませる。

拍手に包まれる。


続いては俺だ。


「LKY」


「……」


沈黙が広がる。

D○I語が通じない……だと。


「レオールだ。これから。よろしく」


まばらな拍手が痛い。

拍手しないと目付けられる可能性があるという恐れをふくんだ拍手。


「じゃあお前ら、適当な場所に座れ」


それぞれが開いている席へ向かう。

マルコメ君は、おにぎりみたいな男子学生の隣に座った。

優しそうな顔で、おにぎりフォルムに、細い目。

やや、ブレザーがきつそうだが、しっかり着ている。


何かいいな~癒し系の隣で。

急いで座らなければと思って席を探すが、空いているのは一つだけだった。


そこに行き荷物を置いて、隣を確認する。

「ちっ」


あっ!こいつ舌打ちしやがった。


「座るぞ」


有無も言わさず座る。


隣の奴は、栗色のややカールのかかったセミロングヘア。

顔つきは、目鼻立ちがくっきりしており、鼻が高い。

目はややたれ目だが、眉が釣り上がり気味で、顔立ちから気が強そうな事はわかる。

それに格好だが、女子用のブレザーは来ているものの、ワイシャツはボタンを開けて、その豊満な胸元が見えている。軽く紫色のブラなんか覗いてるし。

古い言葉でいうところのギャル風な印象をあたえられる。


肘をついて、こちらを見ようともしない。

まあ、次からはこの席ではないだろうと思っていると、講師が口を開く。


「席についたようだから、抜き打ちのテストを行う。これで席をきめるからな~」


学生からは不満の声があがる。


「ちなみに、優秀な奴が後ろな」


優秀な成績なら、後ろでサボれるのか、なかなかいいシステムだなと思いながら、配られたテストをみる。

教養なので一般的な知識問題が多かった。

地下室やここへ来てからも、本は少しづつであるが読んできた。

特に、この世界の常識を身に着ける為、教養の本は読み漁ってきたから、難なく解ける問題が多かった。


隣の人と交換して採点する事となった。

相変わらずこちらを見ない隣人の名前はリンヴァーラ。

結構字は綺麗だ。

採点を進めていくと、意外に意外。

こいつ結構、教養できるじゃないか。

まあ、あちらもそう思っているかもしれない。

採点を進めていくと、そっとこちらを窺う視線を感じる。


最終的に採点したところ、彼女が八七点で俺が八二点。

他が、七十点台のところをみると、難しかったようだ。


その点数だと、俺と彼女の席次は、変わる事は無く、そのまま後方の席に、座る事となった。これからは、こいつとも仲良くしなければな。


一般教養の授業が始まり、仕方なく教本と今までのノートを見せてもらう事になったが、やはり、不満げな表情で、こちらの目も見ずに、本開き、長机の真ん中に置く。


ノートのかなり小奇麗にまとまっており、教本もポイントには印がついている。

さきほどは、窓なんか見ているから、てっきり何もやらないでもできる天才肌なのかと思いきや、かなり努力をしているようだ。


授業がひとしきり終わり、課題が少し出たが、特に時間がかかりそうでもない。

講師が出ていった後、リンヴァーラにお礼を言ってから、退出する。

彼女は最後まで、無視を決め込んでいた。

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