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塔に潜む者たち

マルコメ君は、授業後、例のお店へアルバイトに向かった。

ブリジットは相変わらず、御影との研究を続けているとの事で、今日も遅くなるようだ。

彼女も俺に仕える以外の自分の役割(もしかしたら趣味)が見つかり楽しんでいるのかもしれない。


道人の所の講義も、訓練塔を破壊した責任を取り、二週間休みになっている事から、放課後の学園をぶらつくことにした。現在図書館塔への入室許可は下りておらず、図書カードの発行手続きの最中だ。後、一週間ほどでできるそうだが。


夕暮れ時の廊下を歩いていると、同好会の集まる生徒集会塔に差し掛かった。

その一番奥の部屋から、何やら肉を切り裂き、何かを砕く音が鳴り響く。

恐る恐る、その部屋を見てみると、紅いベリーショートの長身の女とスキンヘッドの拳法着をきた中肉中背の男、それと青のロングヘアで目の下に隈がある女。

中年顔の筋肉隆々の男。最後に、フード姿で手足に何か革製のものを巻き付けた格好の性別不明がいた。

各々が、石材や木材、はたまた魔物だろうか、その肉を剥ぎ取っている。


やばい、この集団絶対やばい。

危機を感じたので、関わる前に退散しようとしたら。

フードで姿を隠した奴が、言い放つ。


「誰です!」


皆が教室から飛び出してくる。

しかも、大きめの肉切り包丁や、ハンマーなどの作業用道具をもって。

返り血なんか浴びてるので、より一層怖いんですが!


皆と目があう。

俺は、笑顔を作り、わざと前に出た。

それを見た彼らは、少し油断を見る。

その途端、反転して全力で逃げの姿勢にはいる。

彼らはあっけにとられていたようで、少しのあいだ惚けていた。


これなら逃げきれると考えた時、急に右横から声を掛けられた。


「入部希望ですよね。絶対」


先ほどの、フードを被ったアンノウンだ。

声からするに女だろう。

しかし、異常な速度で走っている。


振りきれない。

だったら!

急に立ち止まり、その子の足を払う。

かなり反射神経が良いらしく、その足払いを難なく避けてくる。

しかし、甘い!

相手の着地の瞬間を狙い。

今度は、拳を突きだす。


しかし、相手もただ者ではない、その動作を見切ったのか。

手を数度切り返し、叫ぶ。


【瞬刻】


フード野郎が消える。


しかし、こちらも驚いてばかりはいられない。

【仙道】

黄緑に近いオーラが、体から湯気のように立ち上る。


マナの動きを捉える。

左後方!

相手は、こちらの首を捉える為両手を開いた格好で現れる。

すでに出現位置の予想はできていたので、そのがら空きになったみぞおちへ一撃を加える。

相手は、見破られるとは思っていなかったのであろう、両手を開いた体制から、回避する事も出来ず、綺麗にみぞおちへ拳が入る。


「がふっ」


肺の空気を一気に抜かれて、口から泡が噴出して、相手は失神する。

フードが外れて、完全に半目で眼球が上向きな少女の顔が現れる。

ショートヘアの緑がかった髪で、少し耳がとんがっていた。

普段は、かわいらしいのであろうが、今は見る影もない。

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