逃走
少女を廊下の端に寝かせ、逃亡を再開する。
集会塔を完全に降りきって、近くのベンチで荒い息を整えていたら、前方から大男と大女がやってくる。どちらも、こん棒のようなものを装備している。
これは、殺されかねないぞ。
彼らが何か話す前に、距離を詰める。
男の顔面にストレートをぶち込む、しかし、両手でガードされた。
ただここで終わるわけにはいかず、すかさず、右手の肘に強打を浴びせる。
相手のガードが崩れ、しかも神経の作用で右腕を麻痺させる。通称、雷神拳。
左フックで顎に一撃をかます。
相手が、ぐらついたところで、更に一撃を加える。
念の為、もう一撃入れようとしたときに、女の方に邪魔される。
彼女の一撃は、こん棒から発するものだが、俺が立っていた地面をえぐる。
女の方の攻撃をかわしつつ、ロウキックで足が動けない状態まで追いつめる。
完全に足が地面につくと、女だからと容赦はせず、顔面を強打する。
しかし、彼女はそれを頭突きで押し返す。
俺の右腕が、後ろに吹き飛ばされる。
ガードが甘くなった右サイドから、こん棒の一撃が飛んでくるが、体をひねりかわすが、少しかすってしまう。風圧で内臓が若干揺さぶられる。
触れても居ないの、この攻撃力はまずい!
ただし、距離は開けない。
距離を開けると、棒を持っていない分、自分にリーチのハンデがつく。
更に、飛び込み、打撃が無駄なら締める!
後ろに回り込み、首を完全にホールドする。
しかし、女も直ぐにはおちず、首の力だけで俺の体重を支え、しかも持ち上げる。
一分近く締め続けたらようやく、両の手の力が抜けて、失神する。
後ろに回りこまれていたことに気づかず、首筋に何か鋭利な針で、刺されてしまった。
「うふふふふ。痺れて最高に気持ちいいわ。どうぞ無様に昇天なさい。ひひひひ」
ロングヘアのいかにも魔女っぽい女だ。
かなりお頭はイってしまっている。
何かの薬物を投与されて、体が思うように動かないし、激痛が全身をはしる。
叫び声を大分抑えたが、口の間から苦悶の声が漏れる。
こんなところで、死ぬわけにはいかない。
あいにく女は、俺が完全に動けなくなっているものと思っており、距離を離すことはなかった。
チャンスだ!
痛みをこらえて、女を羽交い絞めにする。
隈のできた女は驚き抵抗するが、筋力はほとんどないらしい。
そして、女のてから注射器(?)
奪い取る。
液体の入っていないそれは、針の先が俺の血で赤くなっている。
女が暴れた事により、彼女が隠し持っていた薬品群が散乱する。
その一つを夢中で取り出し、針に装填し、彼女の首元に突き刺す。
「ひんっ!」
彼女は短く叫び。
薬の効果によるものだろうか、じたばた暴れ、体を反られた瞬間に、跳ね飛ばされた。
彼女は、少しの間だけ、エビ反りになって何やら甘い声を上げていたが、涎を垂らして気を失ってしまった。絶対痛いはずなのに、こいつは相当なドMだな。
何とか、その場から逃げようと、張っているところに、背後から気配を感じて、俺も深い眠りに入った。




