表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンデスへの旅路ーギターとケーナの出会いー  作者: 村松希美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/38

13 魂のメロディー、アンデスへの旅路、ケーナとギター 2



サイリが(ひざ)をついたその瞬間、ワイラとサミの演奏は、完全に限界を超えて最高潮クライマックスへと達した。


神殿の中に立ち込める硝煙(硝煙)の隙間から、ワイラとサミの視線が、真っ直ぐに重なり合った。

言葉は必要なかった。彼らの奏でる音が、互いの脳内に直接、濁りのない感情を流し込んでいたからだ。


(届いた……。サミ、僕たちの音が、ついに世界を変えたんだ!)

ワイラの心に、これまでに味わったことのない、震えるような達成感と歓喜が突き抜けた。自分がただの迷い人ではなく、この世界に確かな意味をもたらす存在になれたのだと、音楽を通じて確信できた。


(ワイラ、ありがとう。私、今、生きている! 私たちの音が、お兄ちゃんを救ってくれた!)

サミの瞳から、大粒の涙が溢れ、(ほお)を伝ってひび割れたケーナを()らした。しかし、その音色はどこまでも力強く、自由だった。


一人は、冷たい石壁に囲まれた「(おり)」の中から。

一人は、血と硝煙に染まった「戦場」の真ん中から。

二人の奏でる音は、今や神殿という狭い空間を完全に飛び出し、クスコ全体を包み込む、あまりにも巨大な地殻変動のようなうねりとなっていた。


それは、長きにわたる植民地支配、圧政の象徴である神殿の石壁を内側から激しく揺らし、同時に、何世代にもわたって人々の心に深く巣食(すく)っていた「どうせ世界は変わらない」という、諦めという名の目に見えない壁を、内側と外側から、同時に完膚(かんぷ)なきまでに突き崩していった。


ゴゴゴゴ……と、神殿の天井から、古い(ちり)が舞い落ちる。

しかし、それは崩壊の恐怖ではなく、新しい世界の産声のようだった。


激しく垂れ込めていた朝靄(あさもや)()き、厚い雲の切れ間から、(まばゆ)いばかりの太陽の光が、戦火に包まれたクスコの街へと降り注いだ。


その一条の黄金色の光は、民衆を、兵士を、そして傷だらけの若者たちを、等しく照らし出す。


それは、血塗(ちぬ)られた暗黒の時代が終わりを告げ、彼ら自身の、そしてこの地に生きるすべての人々の「本当の旅」が今、ここから始まることを祝福する、あまりにも美しい、夜明けの光だった。







この章もAIが書きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ