8 太陽の島へ 3
「リョケはそうだが、サーヤはこの島に渡ってきた人間だ」
「やっぱり」アトゥックが指を鳴らした。
「やっぱりってどういう事なんだい、アトゥック?」
「雰囲気だよ。それに何よりあの太陽の紋章さ。リョケさんはともかく、サーヤさんはインカの王族の人間さ。普通の村民がそんなものを持ってる訳がないだろう」
「ええ、なんだって……君たちはインカに伝わる紋章を見たことがあるというのか!」
ロカの父親が驚いた。
「見たことがあるも何も、今ここにあるぜ。その紋章が」
アトゥックはワイラからそれを受け取ると、ロカの父親に見せた。
「おお、これは数年前、この島にクスコからやって来たスペイン人が探していたインカの紋章と同じものじゃないか。奴らが見せていた絵がこれと同じだった。では、やはりサーヤはインカの末裔……」
「うん。これで間違いないぜ」
「すごい、じゃあサミって本物のお姫様だったんだ!」
ブランカが叫んだ。
「そういう事だな。まだはっきりとは分からないが、サミを誘拐した黒服の男たちは、姫をつけ狙う悪漢といったところかな。おじさん、そのスペイン人たち、何か言ってなかったかい?」
「そういや、インカの宝がどうのこうのと言っておった」
「インカの宝!!」
今度はアトゥックが驚いた。
「どうのこうのって、何て言ってたんだよ」
「さあ、詳しいことは聞き取れんかったが、その紋章が、そのお宝に関係あるんじゃないのかね」
この意外な話の展開に、アトゥックは黙り込んでしまった。ワイラは、黒服の男たちの手がかりがつかめたような気がした。黒服の男たちはインカの宝を狙っていたのだ。だから、サミのこの太陽の紋章が目当てで誘拐したのではないか。そして、彼らはクスコにいるのでは……と。
この家を出る前に、ワイラはロカ父子に言った。
「どうか、僕たちが話した事は、村の人々には内緒にしておいてもらえますか?」
「私がそんなに口が軽く見えるかね」
「いいえ、気を悪くさせたのならすみません」
「安心しなさい。私もロカもそんなおしゃべりではない」
「ありがとうございます」
ワイラたち3人は丁寧に通頭を下げた。
帰りもロカがコパカバーナまで船で送ってくれた。桟橋でロカを見送ると、アトゥックが言った。
「でも俺たちツイてたな。サミの事をよく知っている人にいきなり出会ったんだから……」
誤字脱字、言い回しが変なところはAIで修正しました。
この章も自力で書きました。




