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歴代最強聖女、厄介ごとに巻き込まれたくないので 能力を隠して生きていきます  作者: 月代
第三章   聖光と、真実と、それでもお前がいい

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八話 言えないまま、近づいていく

魔瘴が、王都に近づいていた。


魔瘴とは、百年に一度訪れる魔力の乱れのことだ。

大地に溜まった負の魔力が飽和し、魔物が活性化する。遠い昔には国が滅びかけたこともあるという。今はまだ前兆期と言われていたが、郊外での魔物の出没は明らかに増えていた。


騎士団は連日出動し、レオンが店に来る頻度も減っていた。来たとしても疲れた顔で、短い時間だけいて帰る。私はそのたびに何か言いたくなって、言えなくて、代わりに疲労回復の薬草茶を持たせた。


「これ、効きますよ」


「知ってる。いつも助かってる」


「無理しないでください」


「お前に言われたくない」


……それはそうかもしれません。

レオンが帰った後、私は一人で作業場に戻って考えた。


話そう、と何度も決めた。決めるたびに怖くなった。怖くなるたびに先送りにした。その繰り返しだった。


前世でもこういうことがあった。大事なことを言えないまま機会を逃し続けて、気がついたら手遅れになっていた。だから今世では後悔しないようにしようと思っていたのに。


……私は前世から何も成長していないんでしょうか。

情けない気持ちでいたある夜、父が言った。


「最近、レオンさんの顔が険しいね。騎士団は大変みたいだ」


「……そうですね」


「あの人、アリアのことが好きだと思うよ」


手が止まった。


「……お父さん、何を言ってるんですか」


「見てたらわかるよ。あの人はアリアを見るとき、

ちょっと顔が変わる」


……お父さんには言っていませんが、私もです。

その夜も眠れなかった。


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