3等星
彼女が口を開く。
「待ってたんだよ。いいよねここ。びっくりしたよ。あたしも学校でできるとこ探してたら、ちょうどあなたを見つけてあとつけてみたら、こんなとこでこんなことしてんだもん。ここなら絶対誰も来ないしいいとこ見つけたよね。あたしも最近使わせてもらってるよ。」
なんだこいつ。てか誰だ。
「ふっ、あんた誰?って顔してる。あたしはあなたのこと知ってるよ。ムラタナツ。」
俺は彼女の目をじっと見る。
「あなたみたいに毎回一位って訳じゃないけど。あたしもけっこう掲示板に名前載るくらいではあるんだけどなぁ。自分でも毎回一位ってわかっているから掲示板なんて見ないのか。あーあ、感じわるぅー。ってか同じクラスなんですけど。」
と言って彼女は少し怒ってるふうに見せた。
俺は何も答えない。
「はぁぁ、心外なんですけど。」
深いため息のあと、イタズラっぽく彼女は笑う。
「村倉 唯です。これでわかった?」
ムラクラ?確か俺の前に自己紹介していた?確か、三人組でいつもいたな。
「もしかして、いつも三人でいる?」
俺は不確かな情報を投げかける。
「そうそう、ちゃんと覚えてよね。」
「他の二人は?」
「二人とも部活だよ。」
「そっか、ムラクラさんは」
「ユイでいいよ、あたしもナツって呼ばせてもらうから。」
いま初めてしゃべったのになんだこの距離間の詰め方は。
「ユイは、それは?どこで入手したの?」
「ん?あーこれ?うち、おばあちゃんちがこれを扱ってるお店で一個や二個くらい無くなったところで気づかれはしないよ。」
なるほど。
「ナツは?」
「まあ、ユイと似たようなもんだね。一箱無くなったって気づかれない。」
「そっか。」
何がおかしいのか彼女は笑っている。前かがみになって笑っているので制服の胸元からピンクの下着がちらちらしている。俺はそこになにかアザのようなものが見えた気がした。
「お互い、優等生演じるのも楽じゃないよねー。」
地面にこすりつけ火を消しながら、ユイが言う。
「ってか、あたしたち図書室行かないとやばくない?」
忘れてた。ユイは俺の手を取り
「ほら、いくよ。」
そう言って俺ら二人は走って図書室に向かった。




