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土日は3話公開です。
興奮するアランをラスティに任せて、エルディアはブルーベルと話を続けた。
「随分、竜とゆかりのある村なんだね?」
「そうなんですよ。神殿だって、竜を神様として祀っていたらしいですよ」
「なんでそんなに竜なんだろうね?」
電流を帯びた不思議なお湯くらいなら、別にただの神様でもいい気がする。
エルディアの素朴な疑問にブルーベルは笑いながら首を傾げた。
「昔からよく雷の落ちる場所だったらしいし、やっぱり怖いから竜にしたんじゃないですかね?」
「そんなに雷落ちるの?」
「結構多いと思いますけど、なんといっても300年前の大落雷が印象的だったせいじゃないかって祖父なんかは言ってますよ」
ラスティの片眉が僅かに上がった。
興奮して詰め寄るアランの顔を抑えながら、ブルーベルに声をかける。
「300年前に大きな落雷があったときは神殿があったのか?」
「え? さあ、どうでしょう。村の御伽噺では竜の神殿は突然現れるって言われてますけど」
「いつも言っているだろう、ブルーベル。何事も突然なんてことはあり得ないんだよ」
ブルーベルの話は、例え村に伝わるただの伝承だったとしても興味深い。そう判断したエルディアは、もう少し深堀りしようと口を開きかける。だが、言葉を発する前にアランに遮られてしまう。
「でも、本当にそういう言い伝えなんですもん」
「突然現れるんじゃない。もともとそこにあるんだよ!」
「えー。でもいつもは何にもないところなんですよ?」
邪魔をされたエルディアが思わず舌打ちしそうになったが、2人の会話の内容を耳にしてピタリと動きを止めた。
(……ん?場所が既に特定されてるってことなの?)
そっとラスティに視線を投げると、ラスティも同じように感じたようで小さく頷いた。
エルディアは、ああだ、こうだと口論しているアランとブルーベルの間に割って入る。
「ねえ、その『何にもない場所』っていうのはどこにあるの?」
「何もないわけではない! ちゃんと特殊な電流を感知してだな!!」
「分かったから、落ち着いてよ」
アランが食って掛かるので、エルディアはその肩をぽんぽんと軽く叩いて宥める。
まったく……。自分の趣味に没頭するやつは周りが見えてないから良くない。
その辺については、エルディアも同類なのだが本人はそれに気が付いていないので他人事のようにため息をつく。
そのとき、横からラスティがエルディアを強く引いた。
「お……?」
「アラン、落ち着け。おまえの特定した場所を知りたいと言っているだけだ」
アランから引き離して、ラスティがその間に入る。
最近似たようなことがあったような気がする。
だが、それより今は神殿の場所の特定だ。そのヒントになりそうな話が山ほど出てきた。
まずはこっちを片付けたい。
エルディアとラスティはアランとブルーベルが割り出したその場所を、持ってきた地図に書き込ませた。
「あ、あと、あんたのお祖父さんにも話を聞いてみたいんだけど、大丈夫かな?」
「祖父に? ええ、大丈夫ですよ。私の名前を出してもらえば喜んで話しますよ」
エルディアの申し入れに、にこやかに応じてくれた上に、ブルーベルは念のためと手紙まで書いてくれたのだった。




