今様平家物語その10-ICC擁護の巻-
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
されば今、令和の世に、赤根智子といふ女、国際刑事裁判所の高き座にのぼりて、「正義の天秤」を手に握りしことありき。
この女、かつて岸田の御代にその位を得て、大国の圧力に立ち向かふ日本人の鑑と、ある人々は称へ、ある人々は怪しめり。
時移り、トランプの新政、怒りの矢を放ち、赤根を制裁の的と定めしとき、世の中はにわかに二つに割れぬ。
「赤根を守れ」と叫ぶ者あり。
「国際法の守護者なり」と涙を流す者あり。
「日本政府の反応は弱し」と議連を組みて声をあげる者あり。
されどその叫びの奥に、「高市を叩け」の響き、ひそかに混じり、「日米の絆を切れ」の影、おのずと添ひぬ。
高市総理は、国民の感情に寄り添はむと努め、ただ「残念」の一言を述べて、慎重に事を処せり。
されど増長せる勢力は、これを「弱腰」と罵り、対米強硬の姿勢を求め、声をますます高く張り上げけり。
ああ、哀れなり。
彼らの喚けば喚くほど、多数派の選挙民の心中に、ICCへの懐疑は深く根を張り、広がるのであった。
赤根智子は、もはや一人の女にあらず。
彼女は「リトマス試験紙」となりて、人の心の色をあからさまに映し出す鏡と化しけり。
青く染まる者は、高市を厭ひ、同盟を疎み、離間を願ふ者なり。
赤く染まる者は、現実を見据え、国益を第一とす者なり。
正義の衣をまとひて、その実は政治の矢を放つ者たちよ。
その声高き「擁護」は、かえって民の不信を招き、盛者必衰の理を自ら招くものか。
盛者必衰は、ただ武家の昔に限らず。
今の世の「擁護」もまた、やがて露と消えゆくものか。
赤根の名は、世の分かれ道の標識となりて、人々の本心を、静かに、しかし容赦なく、あばき出だすのであった。




