今様平家物語その9-宏池会凋落の巻-
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。
さて、令和の御代、自民党の庭に長き時を誇りし宏池会の流れありけり。
岸田文雄の君を輩出せしこの一門、かつて都に栄え、地方にも根を張り、地域談合型の古き政治を礎として権勢を振るひたり。
年功序列を尊び、人脈と金脈を縦横に巡らせ、選挙区ごとの談合をもって議席を守りしこの流儀は、長らく自民党の「古い政治」の象徴なりき。
されど時は移り、風は変はる。実力主義の波が押し寄せ、談合の城郭は次第に揺らぎはじめたり。
福岡の地にては、古賀誠の将、長き間、反麻生の旗を掲げて権勢を保ちしが、その右腕とも頼む蔵内勇夫の君、今や危機に瀕す。
令和八年八月二十四日。
福岡県議会の正副議長ポストをめぐる金銭授受の疑惑、渦中にありし蔵内議長、遂に議員辞職を表明し給ふ。
「八月二十五日、東京にて開催される女性議員研究交流大会にて、全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うしたるのち、福岡県議会議員の職を辞する」とのコメントを発し、みづからの身を引くを選ばれたり。
服部誠太郎知事、この報に接して曰く、「重く大きなるご決断をされたと思ふ。と同時に、これで幕引きではないとも感じたり。県議会におかれては、新しい議長を選出し、新しい体制の下で真相の究明を徹底的に進め、議会改革を進められよ」と。
蔵内の君の博識、人脈の広さ、実行力を誰しもが認めるところなりとしつつも、敬意を表しつつ真相究明を求め給ふ。
この一件、自民党緊縮派による「トカゲの尻尾切り」との声も上がるも、より深きところにて、地域談合型政治の権力、さらに低下する兆しと見做されけり。
古賀誠の将、右腕を失ひ、福岡における反麻生ラインは半壊す。
長き間党内にて派閥抗争を続け、自民の足を引っ張りし末に、安倍晋三の復権により政界引退を余儀なくされし古賀の将も、その足場、遂に崩れゆく。
岸田文雄の君の親分とも称されし権力、ここに喪失の噂、ネットの海に広がる。
年功序列の砦は崩れ、実力主義への移行を望む声、高まりゆく。
宏池会の流れ、地方における談合の城を失ひて、都にての栄華も次第に色褪せゆく有様なり。おごれる宏池会も久しからず。
地域談合の風習を頼みし者ども、風の前の塵と散りゆく。
されど、真相究明の声は止まらず、議会改革の波はなおも寄せてやまず。
盛者必衰の理は、令和の今も厳として存す。祇園精舎の鐘は、今も尚も、諸行無常を告げ続けてやまず。




