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96 Side.魔帝国の住人



 何時もと変わらぬ毎日…。

 今日も彼方此方で騒ぎが起きる…。

 魔帝国の端っこにあるここ無法地帯(スラム)では…、ちょっとしたことで喧嘩に発展する…。

 些細な意見の食い違い…、視線が合っただけ…、何となくムカついたからとか言う理不尽な理由すらあるくらいだ…。


 今日も成るべく気配を殺し…、騒動に巻き込まれないように道の隅を歩く…。


 そうして歩いて別の暗がりに潜もうとして視線を上げたその時…、輝くような黄金が目に入った…。

 いや、黄金ではなく金髪だ…。

 金髪の少女が…、そこに居た…。


 長い金髪を風で揺らしながら歩くその少女は…、この場所に不釣り合いな程に高貴な雰囲気(オーラ)を纏っていた…。

 白と黒と紅で彩られた服を装い、(スラム)から(魔帝国首都)の方向に歩いていた…。

 暗がりに潜り込もうとしていたことすら忘れ…、その少女が見えなくなるまで見惚れていた…。


 やがて少女の姿が見えなくなると…、時が動き出したかのようにここ(スラム)に元の喧騒が戻ってきた…。

 戻ってきた喧騒で気を取り直し…、急いで暗がりに飛び込んだ…。


 さっきの少女は、一体何処から来たのだろう…。

 どう見てもここ(スラム)には似合わない空気を纏っていた…。

 少しばかり気になったが…、辺りに嫌な空気が蔓延ってきた…。

 少女の事は即座に忘れ去り、その場で気配を殺して何時も通りに息を潜めた…。




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