95 Side.転移者の一人 リク
※時系列が乱れています…。
何もかもが唐突だった…。
何時もと変わらぬ通学路…、何時もと変わらぬ毎日…のはずだった…。
幼馴染のダイチと談笑しながら曲がり角を曲がった先は…、見たこともない森の中だった…。
見たことも無いというのは…、木の一本一本が途方もないほど巨大だからだ…。
僕は慌てて周囲を見回したが…、一緒に歩いていた幼馴染以外は人っ子一人見当たらなかった…。
そんな幼馴染は、いつもと変わらぬ平静ぶりだ…と思ったが、顔には出ていないがそこそこ驚いているようだ。
そんな幼馴染を見ていたら、僕も冷静になってきた…。
「一体何がどうなってるんだろうか…、ダイチ…」
「期待しているような答えは返せそうにないよ…、リク…」
相変わらず言葉は少ないが、僕の考えは理解しているようだ…。
流石、と言ったところか…。
「これからどうする…?」
「サバイバル道具無しだと…、流石に苦労しそうだな…」
たまにずれた答えも返ってくるけど…。
「それよりもこの森から出ないと…」
「出口が判らないことには…、あまり動くのは得策じゃないな…」
「森の奥にいく可能性もあるから、かい?」
「それもあるけど…、安全に眠れる場所と飲み水と食べられる物を見つけられないと…、多分そう遠くないうちには死体じゃないかな…」
「と言っても…、この木はでかすぎて登れないし…。 かといって方角が判るわけでもないし…」
「それよりも、リク…」
「何だい?」
「気づいてる…?」
「…もしかして、ダイチも?」
「ある…」
「僕もだよ…。 一体何がどうなってるんだろうね…、この世界は…」
「生き延びれば判るかも、ね…」
「せめて森の外へ…」
そうして意識を集中すると…、人がいる方角が手に取るように分かった…。
「…ほんと…、どうなってんだろう…この世界は…」
「今は生き延びることだけ考えよう…」
「そうしようか…」
そう言って僕たちは、その方角に向けて歩き出した…。




