87 Side.エクスタシス 4
娘達の報告を聞き、娘達に指示を下す。
来るべき時までに残された時間は少ない…。
だからだろう…。
以前よりも事件が頻発しているのは……。
(女王陛下!!穴を発見しました!!徐々に広がっています!!!)
(手が空いている年長の娘に伝えて対処させなさぁい)
(女王陛下!!彼の世界で終末戦争が始まりかねません!!)
(複数の娘達でその世界の指導者層を全員堕落させなさぁい。 介入しているだろう神々は同僚に任せるわぁ)
思念を飛ばしてくる娘達に指示を出しながら心の中で溜息を吐く…。
──キリがないわねぇ…。
娘達に回廊内を隈なく捜索させ、見つけ次第対処するしか今の所手段はない…。
事件の種類が少ないのが唯一の救いだろうか…。
「面倒なことには変わりないけれどねぇ…」
「正直陛下のマスター様が居なかったらどうしようもなかったですね」
私の呟きに、傍にいた娘の一人が言葉を返す。
「我が主様が居なかったらそもそも詰んでるのよねぇ…」
少なくとも我が主様以外にアレをどうにかできるとも思えないし…。
ここ最近忙しいせいで我が主様と直接会話できていない…。
念話で話すことは出来るが、やはり直接お顔を見て話をする方が好きだ。
我が主様の力の波動に直接身を晒すことが出来るのだから…。
「兎に角…、収まるまで対処し続けるしかないわねぇ…」
「事件が頻発し始めて既に大分経っていますが…、収まりますかね?」
先程とは別の娘が不安気に言葉を漏らす…。
「収まるわぁ、絶対にね」
「何故確信を?」
「アレの癇癪みたいなものだからよぉ。 今迄ならそこまで長続きしなかったけれど、時が近づいているせいかしらねぇ…。 アレも余計に苛立っているんじゃないかしらぁ…?」
「?」
「解らなくていいわよぉ~」
そう…、解らなくていい…。
アレを理解することが出来るのは我が主様だけだ。
こうして来るべき時が迫っていることを自覚させられると…、憂鬱にもなるがそれ以上に安堵の気持ちが大きい…。
これで漸く…、我が主様を縛り付けている鎖から解放することが出来る…。
来るべき時さえ乗り越えられれば…、我が主様と眷属達皆で平穏に過ごすことが出来るのだから…。




