86 Side.ギルベルト
「シメールの姐さん! 居ますか!」
声を張り上げながらドアをノックする。
今度こそ居てくれるとありがたいんだけど…。
「いるよ~。 何の用なのギル坊~」
「とりあえず入ってもいいですかね?」
「どうぞ~」
許しをもらったので入室させてもらう。
…と、見ない顔が…。
新しく眷属になった人だろうけど…。
「レイアちゃんは初めて会うよね~? 造物主様の眷属の一人で~、世界樹物資管理課のリーダーのギル坊だよ~」
「ギルベルトです。 仕事の大半は機械人形の子達がやってますけどね」
「リースちゃん以外はリーダー向きじゃない子達だからね~。 んで~、この子がこの前眷属になったレイアちゃんね~」
紹介の仕方が雑なのはいつもの事だし気にしないようにしよう…。
改めて向き直ると、レイアちゃんと呼ばれた子も戸惑いつつも挨拶をしてくれた。
「…よろしく」
「よろしくお願いしますね。 慣れないことばかりでしょうけど、少なくとも暮らし易い場所ではありますから」
「…はい」
んー…。
慣れていないというより、不安が押し寄せてる感じかな?
それこそ僕の出る幕じゃないね。
シメールの姐さんに任せておけば一応は…、多分大丈夫でしょ。
「失礼なこと考えてないかな~ギル坊~?」
「そんなことはないですよ」
何となく不安を感じるだけで頼りになるのは確かですしね。
っと、そうだ。
こっちの話をしないと…。
「それで姐さん、蝙蝠型の使い魔を100匹程呼んでくれませんかね? 僕じゃ呼べないんで…」
「私に頼むってことは造物主様は手が離せないのかな?」
「手の空いていた機械人形の一人に聞いてみましたけど、どうやら転移者が来ているようで」
「……ふ~ん…」
姐さん…、目が怖いってば…。
「珍しい客…、ですか…?」
「滅多に来ない分類、という意味で珍しい客ですね。 僕が知る限りでも今回ので二度目のはずです」
転生者は過去に何度も来てたりするんだけどね…。
「それで姐さん…、お願いできますか…?」
「まぁいいよ~。 洞窟階層の索敵と採掘かな?」
「えぇ。 一部の宝石類が足りなくなってきたので…」
「たまには自分で採掘したほうがいいんでない~?」
……腹に視線を感じる…。
「いいんですよ。 これでも適度に運動はしてますから」
食事量減らさないと根本的解決にならないだろうけど…。
美味しい物が多すぎるからなぁ……。




