85 Side.レイア 3
「……それはつまり…?」
「レイアちゃんは造物主様に必要とされているってことだよ~」
私の問いかけに、シメール殿が気の抜けた声色で答える…。
「そんなに不安がらなくても大丈夫だよ~」
「そうかな…」
「そうだよ~」
私は縋る様な気持ちでシメール殿に語りかける…。
解っては居ても不安なのだ…。
御主人様の力がどういうものなのかを知った今は特に…。
「さっきも言ったけど、造物主様が眷属にするのは、自身で行使できない力の持ち主か、自身で行使すると不味い力の持ち主なんだよ~」
「前者は解るけど、後者はどういう意味なの…?」
「そのまんまだよ~。 造物主様が行使すると造物主様の望まない結果を招くことになる力の事を指すの~。 レイアちゃんの魔眼の力なら、看破した対象を強制的に支配しちゃったりね~」
「私の魔眼は看破する力だけのはずだけれど…」
「そこが造物主様の力の不便な点だね~。 造物主様のあらゆる行動・行為に支配の力が付随しちゃうんだよ~」
「それって日常生活すら送るのが大変なんじゃ…」
「大変だよ~。だから造物主様は自身の力で創造した世界樹で眷属達だけと生活してるのさ~。 常人は造物主様の視線や声を感知するだけで支配されちゃうからね~」
改めて聞くととんでもない話だ…。
つまり御主人様がその気になれば、文字通り全てを支配することが出来るのだから…。
「まぁ造物主様はそんなことしないけどね~」
「!?」
私の考えを読んだかのようにシメール殿が答える。
「造物主様が好きなのは世界そのものだからね~。 人間に関しては個人は見るけど種族を信用してるわけじゃないし~。 寧ろ明確に嫌悪してる神のほうがよっぽどマシかもね~。 無関心のほうがよっぽど容赦しないし~」
机の上に突っ伏したまま、言葉を続ける…。
「まぁ要するに~、レイアちゃんは不安がらなくとも問題ないってことだよ~」
「……」
話の前後の繋がりが見当たらないけど…、シメール殿が私を励ましてくれてるのは何となく判った…。




