84 Side.ディサイエン帝国の御用商人
何度見ても…、あの大樹は壮大で荘厳だ…。
天を衝くほどの長さ…。 天を覆うほどの大きさ…。
そして大きさだけでは説明がつかない程の圧倒的な存在感…。
それに比べて、私達人間の何と矮小なことか…。
…っと、ここに来ると何時も考え込んでしまうな…。
今回は客人もいることだし、あまり呆けてはいられないな。
そろそろ陸に着く頃合いだし、上陸の準備をせねば…。
「しかしまぁ…、遠目でもデカかったが近くで見ると更にデケェなぁ…」
「最早植物の範疇を超えている気がするが…」
「見た目は普通の大木なんですけどね…。 大きさが色々と規格外です…」
彼らの反応を見てると、懐かしい気分になる…。
私も父に連れられて初めて見た時は大層驚いたものだ…。
「とりあえず上陸の準備をしましょうか…」
「どのあたりから上陸するんですか?」
「陸地のどこかに迎えが見えるはずですが…」
そう言って陸地を見渡すと…。
おっ、やはり居ましたね。
比較的低地の所に数人の人影が見えます。
「どうやらあそこに行けばよさそうですね。 行きましょうか」
船の舵を切り、目的地へと近づいて行く…。
ある程度近づいたところで、一人だけ船の上に飛び乗ってきた。
「船旅ご苦労様です。 船の管理と交易品の査定は此方でやっておきますので、案内に従って創造主様の所までお向かいください」
「いつもありがとう」
「創造主様からの指示ですので…」
いつもの挨拶を交わし、陸地から伸びてきた橋に降りる。
それに続くように三人も橋に降りてくる。
全員降りたところで、案内であろう少女がこちらにやってきた。
「こちらへどうぞ。 謁見の間まで案内いたします」
そう言って導くように少女は先を歩いて行く。
私は振り返って三人に話しかける。
「さて、行きましょう。 ついて行けば支配者殿に会えるはずです」
そう言って向き直り、案内人の少女に付いて行く。




