表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/269

83 Side.転移者ショウタ




「思ったよりもスムーズに行けたな…」


「もう一悶着ぐらいはあると思ってましたが…」


「楽できていいんじゃねーの?」


 カズマが楽観的な台詞を吐く…。

 確かに楽は出来たが…、下手をすれば更に時間がかかるところだった…。


 船を借りるために城に向かったが…、そもそも船を借りるコネが無いというのと、どうやって偉い人に話を通すかで行き詰まった…。

 そのために代替案として街中で船を所有している商人がいないか尋ねて回ったところ…、帝国で一番大きい店を持つ商人が船を持っているという話を聞けた。


 何でも帝国の御用商人らしく、(世界樹)の者達との取引を任されているという…。

 これ幸いと話をしに向かったところ…、その商人はこれから世界樹に向かうところだったらしく、その道中の護衛に雇ってくれた…。

 唐突に会いに来た氏素性の知れぬ者に対する扱いではないが、その商人曰く…。



「彼女達に会おうとする者は主に二種類存在します…。 彼女達を知っ(理解し)ている者と、知ら(理解して)ない者です…。 貴方達は前者でしょう? 彼女達の事を理解していて彼女達に会いたいと願う者は、彼女達以外にどうしようもない頼みごとがある人だけです…。 実際に会えるかどうかは彼の主の意思に依りますが…、少なくとも頼みを無碍にする方ではありませんから…。 そして彼の主の事を理解しているということは、分限を弁えている人達であるということですから…、信用できます…」


 と、言っていた…。

 善性であると判断されたのは何やらくすぐったいが…、嬉しくも思う…。


 まぁその道中の護衛と言うのも彼の者達の領域に入るまでの事らしく…、入って以降は護衛が必要ないほどに安全であるらしい…。

 彼の者達の領域内は三匹の巨大な守護獣が目を光らせているらしく…、理性あるものは近づかないし、理性無き獣ですら近寄ろうとはしないようだ…。


 自分達が乗っていることで攻撃されるのではないか──と聞いてみたのだが…。


「彼らは殺すもの達を厳格に選別しています。 殺すべきもの達だけを殺し、それ以外のもの達には一切危害を加えることをしないのです…」


 つい最近彼らが滅ぼした(フルボルート)も、昔より国を動かしてきた一族のみを滅ぼしたそうだ…。

 あの国(フルボルート)は、国王や宰相、政治を行う官僚や騎士団の末端兵士まで、全員が昔より国を運営してきた一族の者達らしい…。

 あの国において見逃されたのは、商品を納める商人や武器を収める鍛冶屋などの職人達と、市井の住民達のみであったという…。


「…と、そろそろですね…」


「んお…?」


「あれが…」


「大きいな…」


 船の向かう先に見えてきたのは…、雲を突き破り存在感を放ちながら生えている巨大な木だった…。

 薄らと見えているだけだが…、それほど巨大だということなのだろう…。


「そろそろ彼の主の領域に入りますよ…」


「いよいよか…」


「何とかなると良いのですが…」


「祈るしかあるまい…」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ