82 Side.転移者キョウヤ
彼らの計画を知ったのは本当に偶然だ…。
転移者達によるこの世界の世界征服…。
最初に知った時は、ただの冗談だと思った…。
彼女達の存在がある以上…、そのようなことは絶対に不可能だと理解していたからだ…。
だが次々と入ってくる情報を精査した結果…、それが事実であると判った…。
当然僕たち三人で止めにいった…。
そのようなことは不可能だから辞めるべきだ──と…。
転移者達の力は、この世界の者達の中でも突出しているのは知っている…。
けれど彼女達には遠く及ばないのだ…。
僕たちは彼女達の事を彼らに伝えた…。
だが彼らはその話を信じなかった…。
彼らと別れて落ち着いてから考えてみれば当然ではあったが…。
自身の力に酔っている者達に…、自分達以上の力の持ち主達が居るなどと聞かせても、到底受け入れられないし納得もしないだろう…。
今の所は彼らも仲間を集めている段階だから、今すぐに事が起こる可能性は低い…。
だが今すぐの可能性が低いだけで、何れは確実に起こるのだ…。
何としても彼女達の介入が来る前に止めなくてはならない…。
放っておいても彼らの企みは確実に潰される…。
彼女達が介入すればそれで終いだ…。
だがそれは…、同郷の者達が消される可能性を見過ごすことと同義だ…。
この世界では数少ない同郷の者達…。
見ず知らずの者も多いが…、同じ世界から来た者達を見捨てるのは流石に寝覚めが悪すぎる…。
とは言っても僕たちだけで彼らを止めるには、流石に数の差があり過ぎる…。
此方は三人…、向こうは千は優に超えるだろう…。
あのゲームをしていた者達が全員転移してきたなら…、十万は超えているはずだ…。
当時ゲームをしていなかった者達を除いたとしても、五万は確実にいるだろう…。
三人で同格の者達を相手にできるのは…、精々倍の六人までだ…。
僕たちと同じぐらい連携が出来るなら、同数で漸く勝負になるレベルだ…。
僕たちだけで止めるのは不可能となれば…、彼女達に頼んで彼らに身の程を文字通りその身で知ってもらうぐらいしか手段が残っていない…。
だがその彼女達に出会う手段が皆無なのだ…。
軽装の友人が言うように、偶然に期待するのは望み薄だろう…。
となると…、何とか船を手に入れて彼女達が住むという世界樹に向かうしかない…。
船を借りるにせよ購入するにせよ…、資金が必要なのは間違いないだろう…。
「やはり国に頼んで船を出してもらうのが一番確実かな…」
「それしかねぇかぁ…」
「他に手が無い以上、そうするしかあるまいな…」
友人二人も同じ答えのようだ…。
となれば…、早速行動するべきだろう…。
彼女達と交流があり…、一番近い国となれば今いるディサイエン帝国に頼むが一番早い…。
だが焦っていた僕らは、そもそも偉い人に会えるのかどうか…、というのを完全に失念していたが…。




