7 Side.グーロ
風呂場に到着し脱衣所に入ると、金髪吸血鬼、黒髪巨乳女、蒼髪俎板女が出てくるところだった。
「あら、貴方達も入りにきたの?」
「ということはテレス姉さまは父上の所かな?」
「二人よりも前に来た者はいない故、ゆっくりしてくるといい」
三人ともそういって廊下へと出てゆく。
「そんじゃ入ろっか~」
「…うん……」
とはいっても、私達が脱ぐものはない。
シメールの服は擬態の一部だし、私の服は元の姿に戻れば、体内に収納される。
私は元の粘液形態に戻り、シメールも変化して全裸になる。
風呂場の戸を開けて入り、それぞれ洗い場に移動して座って洗い始める。
尤も私の場合、全身に洗剤をかけてタオルで擦るだけなのだが…。
「相変わらずそれで問題ないわけ~?」
「…元々の姿であるこの状態じゃないと…、洗っても意味ないし…。…手間なのは確かだけど……」
粘液形態だと、タオルを使って丸いこの身体を擦るのは、少し手間だ…。
(粘液形態じゃ洗剤も泡立たないし…、なるべく強く擦って、汚れを落とすイメージ…!)
見た目じゃ判らないから、感覚と気分の問題だ。
「んじゃ先に湯船に行ってるよ~」
「…わかった……」
さっさと洗い終わったシメールが、湯船へと向かっていく気配を感じ取る。
こっちもそろそろ…。
「…ん…。…こんなもの…、かな……」
見た目に変化はないが、何となく感覚が研磨され、気分が軽くなったのを感じる。
目の前のハンドルを捻り、シャワーで全身の薬液を洗い流す。
そして、タオル諸々は鏡台に置いたまま、湯船へと向かう。
「コポコポ~、ブクゴポブクブクゴポ~……」
湯船まで辿りつくと、シメールは頭まで湯船に浸かり、何やら喋っている。
猫耳も湯に浸かってるけど、耳の中に入ったりしないのだろうか…。
「…流石にそれだと…、何言ってるか判らない……」
意味のある言語を喋っていないかもしれないが、一応返事をする…。
私達は皆、支配者の眷属となった際に、思念での意思疎通が可能になっている。
構造的に言語で意思疎通ができない者もいるため、日常での会話や、任務での意思疎通においては必須だ。
尤も、今回のように活用しなければ意味などないが…。
「…ん……」
湯船に浸かり、全身で熱を感じ取る。
折角なのだし、たまにはゆっくりするのもいいかもしれない。
就寝時間になれば、また支配者と一緒に居られるのだから…。




