77 ルシファーの転寝
我らが創られてから随分と時が経った…。
だというのに…、ベルゼブブもアスタロトも一向に変わらない…。
ベルゼブブは相変わらず怒りっぽい…。
まぁ放蕩三昧しているように見せかけている我が悪いのだが…。
アスタロトは相変わらず考えが読めない…。
だがどうにも我のやっていることに気付いている節がある…。
まぁ言い触らすような奴ではないから問題はないが…。
我が創られた主な目的は、虚宙核の探索だ。
我らが主の監視が完全ではないところに現れるものであるため…、最も臨機応変に対処できる我が担当しているわけだ…。
虚宙核は…、間もなく寿命を迎える世界に現出する死の前兆だ…。
それらは死した世界を再び再生させるための卵であり…、死した世界のあらゆる記憶を保持する保存器なのだ…。
我らが主はそれらを回収し、虚宙核が内包する厖大なる力を取り込んでいる…。
力を得る方法は主に二つある…。
鍛練をして内なる力を目覚めさせるか…、外から力を体内に取り込むか…。
我らが主は鍛練を行いつつも、それでは来るべき時までに足りないと考え…、虚宙核を取り込むことにした…。
死に際して現れるだけあり、虚宙核は厖大な力を秘めている…。
これ一つを取り込むだけでも…、並の者ならば即座に身体を爆散させて死ぬだろう…。
だが我らが主にとっては…、虚宙核の厖大な力ですら自身の力の0.1%にも満たないのだ…。
それでも他に比べれば効率が良いため…、虚宙核を取り込み続けている…。
虚宙核を失った世界は再誕することはない…。
虚宙核の代わりとなるモノが存在しない限りは…。
虚宙核を用いて力を得る代わりに…、我らが主はそれらの世界の再誕を肩代わりしている…。
虚宙核を取り込んだことで我らが主はその世界の情報を全て得ている…。
故に再誕させることに支障は無い…。
一度虚宙核を取り込んだ世界は監視が容易くなる。
が、我らが主が虚宙核を取り込んだ世界は、基本的に問題が起こらない…。
我らが主以外の介入が発生しなくなるのだから当然と言えば当然なのだが…。
今こうしている間にも…、新たに世界が生まれている…。
我らが主はそうして新たに生まれた世界も監視しなくてはならない…。
何れ現出する虚宙核を回収するため…。
そして何れ訪れる来るべき時への備えのため…。




