72 Side.シメール 3
う~~~ん……。
暇だ……。
ここ最近出番も無く…、のんびりしすぎている気がする…。
既に世界樹内部は把握できてるから、散策も面白みがないしなぁ…。
かと言って他の場所も同じだし…、どうしたものかなぁ…。
とかなんとか考えながら歩いていたら…、廊下の向こうからアグニルが銀髪少女を連れて歩いてくるのが見える…。
あの娘が造物主様が言ってた娘かな?
向こうも気づいたようだし、声をかけてみるとしようか。
「やぁやぁアグニル~、何してるんだい?」
「見て解るだろうシメール。 案内してるんだよ」
「……ど、どうも…」
「どうもどうも~。 話は造物主様から聞いてるよ~。 私はシメール、よろしくね~」
戸惑った風に挨拶してくる銀髪少女に、こちらからも挨拶を返す。
若干引き気味な気がするのは気のせいかな…?
「ところでシメール、何でその姿なんだ?」
「ん~? 何が~?」
「いや…、何で普段の姿じゃなくて、合成生物の姿なのかって聞いてるんだけど…」
……そういえば暇だからって身体の形状こねくり回してたっけ…。
「何か落ち着かないと思ったら戻すの忘れてたか~…」
ゴキッ ガキュッ ゴジュルギュルッ
アグニル達の目の前で、普段の姿に戻る。
「ん~…、やっぱりこっちのほうが落ち着くかな~」
「余程暇だったのだな…」
「私がやる必要がある仕事が今の所ないからね~…」
私に出来るのはこの身体を活かした変装や潜入が殆どだしねぇ…。
戦闘に関しては他の眷属達の方が得意だし…、造物主様の目指す理念に繋がる道に転がる石ころをどかす程度しかできないのが、最近はちょっと寂しい感じかなぁ~…。
とはいっても…、私の出番が無くなってきてるということは、造物主様の理念の達成も近いってことでもあるのよね~…。
痛し痒しってね~。
ま、私があれこれ考えたところで何も変わらないし…、何時も通りにやっていくしかないね~。
「んじゃ暇だし~…、私も案内に参加してもいいかな?」
「んじゃ案内役交代で構わないか? そろそろ準備せねばならんしな…」
「あ~…、そういえばそろそろだっけ~…。 引き受けたよ~」
「んじゃあ任せる。 アナスタシア、後はこいつに任せるから行きたいところがあったらこいつに言うといい。 大抵の場所なら案内してくれる」
「分かりました。 忙しいところをありがとうございました」
「何、こちらも仕事前のいい息抜きになった」
う~ん…、アナスタシアちゃん礼儀正しい…。
しかしまだまだ硬いね~…。
まぁゆっくりと慣れてもらうしかないかな~?
「んじゃ、くれぐれも気を付けてね~。」
「お気をつけて…」
「解っているとも…。 我が主の不安を払拭するのが私の存在意義だ」
そう言って、アグニルは足早に廊下の向こうへ消えた…。
さて、アナスタシアちゃんの案内を引き受けたし、暇潰しも兼ねていきますかね~…。
「それで…、次は何処に向かうのかな?」
そう言いながらアナスタシアちゃんに向き直って尋ねた。




