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64 Side.ヤタ



 いい日和だなぁ…。

 日向ぼっこには最適な日和だぁ…。

 辺境の街だけあって、そこそこ落ち着いた雰囲気もある…。

 御飯も食べたし…、このままゆっくり昼寝でも…。


『おっ…、お前さんが丁度いいな』


 えっ…?


「何が丁度いいって、えぇ!?」


『アレ?雌だったのか。 やっぱパッと見じゃ判らんなぁ…』


 アレ? 何で僕は喋れるように?? 何で人間に??? 何で御主人様と会話して…。

 ってアレ? 御主人様?

 あっ…、そうか…。 僕御主人様の使い魔に…。



『鴉に似ているだけあって頭の回転も速いみたいだな。 お前の名前は”ヤタ”だ』


「八咫…。 僕の名前…」


 名前…。

 人が固有の対象を呼ぶときの言霊…。

 何でだろう…、凄く嬉しくて…安心する…。

 この御方に付いて行けば大丈夫だと…、心の底から確信が持てる…!

 この御方が…、僕の御主人様…。


『微妙に違う気がするが、まぁいいか…。 これからお前には情報を集めてきてもらう』


「解りました! 何処へ行けばいいんですか?」


『全部だ』


「へっ?」


 全部って…、まさか…。


『人がいる街、全部を回ってこい』


「ええぇぇぇぇ!? 人がいる街って結構あった気がするんですけど…。」


『前言撤回だ。 この街以外の全ての街の情報を集めてきてくれればいいから』


 あっ、なーんだ。 それなら簡単──て。


「それでも数多すぎですよぉ~!」


『大丈夫だ。 俺の使い魔になったことで、基礎能力は底上げされている。 そこらの野生の生物に負けることはないから安心して情報を集めてこい』


「ひーん! 御主人様の鬼~!!」


『鬼じゃなくてエルフな』


うぅ…、鳥使いの荒い御主人様だなぁ…。

でも…、不思議と何とかなる気がするんだよなぁ…。


まぁいっか…。


とりあえずさっさと情報集めて、御主人様に撫でてもらおう!

ってアレ? うまく飛べないような…?


『移動するなら鳥に戻ってから行けよー』


「あっ、はーい!」


そういえば人間になってたんだっけ…。

えーっと…、戻るには…、こう…、ん~~~~…。


あ、戻れた。

よーし、今度こそ出発だー!




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