59 Side.テレス 3
私は勢いよく扉を開け放つ。
そして玉座の座るお兄様の元へと飛び込む。
「お兄様ー!」
『表の俺なら今取り込み中だぞ』
「あれー?プラトンお兄様?」
珍しく裏の人格が表に出ているようだ…。
クレスお兄様が身体の主導権を渡すほどの事態が起きてるってことかな?
「クレスお兄様はどうしたのー?」
『能力をフル起動させている。 当分は俺が身体の制御を担当だ』
「…こっちの支配者と一緒に…、のんびり過ごすのも悪くない…」
『あんがとよ、グーロ』
「余程の事態があったみたいだねぇー、プラトンお兄様」
『そのせいで表の俺は、暫く能力の制御と行使に専念して反応を返せない状態だがな…』
「…犯人は…、アグニルが始末に向かった…」
「じゃあとりあえず私がやることはなさそうかなー?」
アグニルが向かったってことは、今回の犯人の焼失は確定的だ。
プラトンお兄様がここまで憤る事態に、あの子がお兄様以上に憤らないはずもない…。
『ところで一体何の用だ? 表の俺に用事があったんだろう?』
「プラトンお兄様が表に居るなら話が早いねー」
『ってことは…』
「そ。 いつもの奴だよ」
「…間隔が短くなってない…?」
「淫乱ピンクも私も、もっといっぱいお兄様と一緒に過ごしたいんだよー」
出来るなら未来永劫お兄様と一緒に過ごしたいんだけどねー…。
『こっちは無限に出来るわけじゃないんだがな…』
「ほぼ無限でしょー? 問題ない問題なーい!」
「…なら私も…、当然参加…」
「オッケー! グーロも追加ねー!」
『それで…、何時なんだ? それは…』
「明日だけどー?」
『早いなおい!?サイクルってもんを考えろよ!?』
私の言葉に、プラトンお兄様が驚いたように言葉を返す。
クレスお兄様も落ち着いててカッコイイんだけど、プラトンお兄様は反応が素直でとっても可愛い♪
カッコイイお兄様も可愛いお兄様も、どっちも好き♥
そうだ! たまには私が飲ませる側に回っても…♥
『なんか変なこと考えてないかテレス?』
「んーん? そんなことナイヨ?」
「……」
グーロがジト目で見てくるけれど、気づかないふりをする。
っと、突然玉座の間中央に転移してくる気配が…。
これは────
「ただ今戻りました、我らが主よ」
『おう、早かったなルシファー』
「アレー?閣下じゃーん!おひさー」
「これはこれは…、お久しぶりでございますテレス嬢」
「…意外と早かった…」
「人海戦術は偉大ということですよ、グーロ殿。 たったの四人で人海戦術と言うのもおかしな話ですが…」
現れたのは閣下だった。
魔界から出てくるなんて珍しい…。
何かあったのだろうか?
『首尾はどうだ?』
「両方とも済みました。 こちらがお探しの虚宙核でございます…」
閣下が取り出したそれは、淡い光を纏った漆黒のガラス玉だった…。




