5 Side.テレス
脱衣所を抜け、風呂場へと繰り出す。
多数設置された洗い場で湯を被り、備え付けの洗剤で身体を洗う。
「ふんふふんふふーん♪」
鼻歌を歌いつつ、全身を洗う。
遅れてアリスお姉さま達が入ってきた。
「ちゃんと湯船に入る前に洗っているようね……」
「流石にもう慣れたよー……」
風呂が出来たばかりの頃は、洗い場を素通りして、湯船に飛び込んでいたものだ。
流石にアリスお姉さまから何度も拳骨を喰らいたくないし、お兄様との添い寝を禁止されるのはもう嫌だ。
ちゃかちゃか洗って、湯船に浸かろう。
「よっしゃ! 湯船一番乗りー!」
「早いわね……」
「私達はゆっくり洗うとしよう」
「そうですね」
洗い終わったので、タオル諸々を放って湯船に飛び込む。
千人は入れる広大な温泉なので、誰もいないのなら飛び込んでも問題はないのだ!
「ちゃんと全身を洗っていたから、今回は何も言わないであげるわ。」
心の内を読んだかのようにお姉さまが告げる。
(ギリギリセーフ…!)
湯船に浸かったまま仰向けになり、全身の力を抜く。
「ふぃー…、極楽ー♪」
「溺れないでよ?」
「流石に大丈夫だってー」
流石に今更溺れるようなことはしないし、溺れられるほど柔な身体でもない。
そうして湯船に浸って暫くすると、お姉さま達も洗い終わったのか湯船のほうへやってきた。
「寝てないでしょうね? テレス」
「だいじょぶだってー……」
「だいぶ気が抜けていますね……」
「私達がこうも気兼ねなくのんびりできるのは、半年ぶりぐらいだからなぁ……」
(そーいやー、ここんところいそがしかったっけー……)
(あー、ねむくなってきt───)
「はい寝ないの」
「あいたぁっ!」
お姉さまの拳骨で目が覚めた。
折角だらけてたのにぃ…。
「もーお姉さまひどい!」
「放っておいたら私達が出ても寝続けるでしょう貴方は……」
それを言われると否定できない。
あのままだらけ続けてたら、多分クレスお兄様に呼ばれるまで反応しなかっただろうしなぁ…。
「まぁ温まったし、先に出るねー!」
「はいはい」
「分かりました」
「ブクブクブクブク…」
お姉さま達の返事を聞きながら湯船を出る。
アグニルは何か頭まで浸かってた気がするけど…、まぁいいか。
さっさと洗い場を通ってタオル諸々を回収しつつ、脱衣所へ向かう。
「ふぃー、さて、就寝時間までどうしようかなぁ…?」
身体を拭き、新しい服に着替えつつ、今後の予定を考える。
今お兄様の所に行っても、シメールとグーロが膝の上占拠してるだろうし…。
(…そうだ♪)
「折角だしぃ、シメールとグーロにもお風呂に行くように言って、二人がお風呂に入っている間、お兄様の膝の上を独占しちゃおっと♪」
シメールも帰ってきたばかりで風呂に入ったほうがいいだろうし、グーロも何も無ければずっとお兄様の御膝の上だろうし…。
私は脱衣所を出て、お兄様の元まで駆け出した。




