表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/269

52 Side.フィロン 3



 今回も思っていたよりは楽な仕事だった。


 基本的に父上は、私達で対処できる仕事を割り振ってくれる。

 一人で無理なら複数で、その眷属で無理ならより強い眷属がと言った風に、決して達成できない仕事は割り振らない。


 父上は(眷属)達が傷つくのを酷く嫌う。

 父上のエゴに、(眷属)達を付き合わせていることを気にしているのだろう…。


 アグニルはそんな父上を気に病ませないように、一切の容赦も慈悲も与えずに仕事を完遂する。

 あいつ(アグニル)は父上を崇拝しているから、父上に余計な心配を掛けたくないのだろう…。



「何を呆けているのだ? フィロン」


「何でもないよ、アグニル」


 アグニルの問いかけに、平静を装って返事をする。


 思えばアグニルとは共に仕事することが多い。

 対集団戦に秀でたアグニルと、対個人戦に秀でた私。

 正面切っての戦闘ならアグニルには負けないが、集団の殲滅速度ではアグニルには到底敵わない。


 犬猿の仲ではあるが、それ故にお互いのフォローをやりやすいとも言える。

 アグニルがこうして戻ってきたということは、有象無象の処理は終わったのだろう。

 アグニルが失敗する道理もないし、見逃すような間抜けでもない。


 思案しているうちに、焼却も済んだようだ。


「よし、これで全部だな?」


「周囲に潜んでいる気配は無い。 そっちは?」


「根こそぎ燃やし尽くしたさ」


「なら戻ろう」


 鍵を取り出して虚空に差し込む。

 何時もの時空転移(ポータルゲート)が起動し、私達は母星(オリジン)に飛ばされる。


 そして何時も通り、玉座の間へと転送された。


「戻りました、父上」


「無事に終えました、我が主よ……」


 玉座に座る父上に帰還を告げるが、珍しく父上の反応が無い…。

 ほんの数秒の間をおいて──。


『おかえり…、フィロン…、アグニル…』


 幾分か疲れを滲ませた声色で思念が伝えられる…。

 何かあったのだろうか…。


「我が主よ、何かありましたか?」


 聞く前に先に聞かれてしまった…。


『二人とも…、今すぐ次の仕事を任せても構わないかい…?』


 どうやら予定外の事態が発生したようだ…。

 であれば──


「御命令とあらば、喜んで!」


「父上がそう言うということは、余程の急ぎなのでしょう? ならば成し遂げます」


 気力は十分残っているし、問題はない…。


『実は…、回廊で次元穴が確認された…』


 !……そういう訳か…。


『回廊の方は既にエクスタシスとその配下に任せている…。 二人に頼みたいのは…、全ての宇宙に存在する次元穴の処理だ…』


「承りました…。 が、流石に二人だけで全ての宇宙に存在する次元穴を塞ぐのは、時間がかかり過ぎるかと…」


 宇宙の数は無数にある。

 とても二人で出来ることではないが──。


『それは理解している…。 君達以外にも次元穴を塞げる眷属達を…、既に向かわせている…。 数が多いから…、単純に人手が足りていない…』


「成る程…、解りました。

 次元穴は()()()()()よろしいのですね?」


 人手が足りていないというのは、次元穴を塞げる力を持っている眷属が足りないということだろう…。


 私は切り取った次元穴を切り刻んで原子に還せばいい…。

 アグニルは単純に次元穴そのものを燃やし尽くせばいい…。


 効率と言う意味ではグーロが一番適任だが……成る程、それで珍しく居なかったのか…。

 次元穴を塞げる眷属を、文字通り総動員しているという訳だな…。


『次元穴の場所は此方で見つけて知らせる…。 頼んだぞ…』


「「お任せを!」」


 父上より思念で伝えられた次元穴の位置に転移する。

 可及的速やかに終わらせ、父上を安心させてやらねば…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ