39 Side.ディオン
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛はぁ……。 漸く終わったかー…、疲れた……」
身体を解しながら一息つく…。
適時睡眠や食事を行っていたとはいっても、こうも長いこと篭りきりだとやはり疲労感が凄まじい…。
(だがまぁとりあえず、完了した報告を父様にしなくてはならないな……)
「ディオン様、本日の…と、完了しましたか?」
「おぉ、いつも御苦労さん…。 漸く終わったよ…。 それで、父様に報告に行くんだが…、ここの片付け任せてもいいか…?」
「承りました。 こちらは任せてください」
「頼んだぞー……」
何時も食事を届けてくれている機械人形に後を任せ、持ってきた食事を受け取って退室する。
食べながら歩くのは行儀が悪いが、とりあえず報告に行かねば…。
父様の元へ向かっている途中で、アリス姉さんに遭遇した。
「あら? ディオンじゃない。 もう終わったのかしら?」
「アリス姉さん! えぇ、漸く終わりましたよ……」
珍しくテレス姉さんは一緒ではないようだ…。
「これからクレスに報告かしら?」
「はい、作業中は一切念話してませんでしたからね…。 頼まれていたことも滞りなく終わりましたし、父様に報告しないと」
「それならゆっくり向かうといいわ。 今エクスタシス達が集まってるから……」
アリス姉さんから驚愕の現状を伝えられる…。
(あぁ…、それは流石にまずい……)
あの場に割って入る勇気は、自分にはない…。
「ありがとうございます…。 それなら食べ終わった後、トレイを厨房の人に渡してから向かいますよ」
「そうしなさい…。 それだけの時間があれば終わってるでしょうから…」
アリス姉さんに別れを告げ、厨房に向かう。
折角だし久しぶりに食堂で何か食べるのもいいかもしれない…。
そう考えて食堂に入ると…、懐かしい顔を見つける。
「ルキウスじゃないか! 久しぶり~!」
「んぉ…? …んぐっ…、ディオンじゃないか! 久しぶりだな!」
ここ最近出かけていたルキウスが居た。
彼がいるということは…。
「耐久試験は終わったのかい?」
「あぁ、滞りなく終了したよ。そういうお前も…?」
軽食を注文しつつ、ルキウスの問いに答える。
「完了したよ。 これから軽く食べて父様に報告に行くつもりさ。 今は取り込み中らしいからね……」
「俺も報告終わったら早々に追い出されたからなぁ…。 困ったものだよ…、解らなくはないけど……」
そう言って唐揚げを食べるルキウス。
ウチの女性陣の大体半分は、父様と関係を持っている。
理由は様々だが、特に絶望の淵から救われた者ほど父様を敬愛し、慕っている…。
まぁ僕も女だったなら迷わず父様に縋っていただろう…。
同じような境遇だったフィロンは父様を神聖視していて、そんな様子は微塵もないが…。
「僕が女だったら、遠慮なく混ざるんだけどね……」
「流石に俺は畏れ多いなぁ……」
「…ここはツッコミを入れるところじゃ…?」
「流石にそれだけ判りやすいツッコミどころは放置するわ……」
「ひどいなぁ……」
同性の仲間と軽口を言い合いつつも、追加のサンドイッチを食べていく。
そしてルキウスが食べ終わるのと同じぐらいに、僕も食べ終わる。
「ふぅ~…。 久々に満腹になるまで食べた気がするよ……」
「俺もここでの食事は久々だったからなぁ…。 つい多めに頼んじまったよ……」
食べ終わった食器類を片付け、食堂を出て玉座の間へ向かう。
「んじゃあ、俺はこっちだから」
ルキウスは反対方向に向かうようだ。
そんなルキウスに向かって言葉を投げかける。
「あぁ、暫くはここにいるんだろう?」
「主殿から何も言われてないから、暫くはゆっくりできそうだよ」
「んじゃまた今度ゆっくり話そう」
「おう! またなディオン!」
「じゃあね、ルキウス」
さて、父様と久々に顔を合わせられる。
玉座の間に歩いて向かいながら、思う…。
(情事が既に終わっていますように……)




