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35 Side.フルボルート王国の一人の転移者



 その夜、蒼い炎に包まれる城を見た…。

 豪奢な城を彩るかのような、蒼く蒼く燃え盛る劫火…。


「何じゃこりゃ……」


 この世界に来てから色々見てきたが、目の前で起こっていることは一際であった…。


「一体何が起こってるんだ…?」


 周りの人達も驚愕と困惑の目を蒼い炎に向ける。


 暫く城を包むように燃えていた蒼い炎は、一瞬のうちに城を跡形もなく燃やし尽くした…。

 徐々に崩れていくこともなく、文字通り一瞬で全てが焼失した…。

 そうして城を燃やし尽くした蒼い炎は、これまたあっという間に消え去った。


 そしてその燃えた城の跡地には、遠目にだが一人の少女が見えた…。

 蒼い髪を靡かせ、城跡の中心部で佇む少女が…。


「あの子がやったのか…?」


 彼女以外に燃えていないものは存在せず、悠然と立っているその姿は周囲の事などまるで気にも留めていないようだ…。

 その少女に、何処からか現れた桃色の髪をした女性が近づいて行く。


「何だあの人…? って全裸!?」


 その妖艶とも言える肢体を惜しげもなく晒している女性。

 よく見ると服を着ていないと思ったら、隠すべきところを隠しているだけで、後の部分は見せびらかすように露出している…。


「もしかしてアレが淫魔(サキュバス)って奴か…? 初めて見た……」


 その淫魔(サキュバス)と思われる女性は、蒼い髪の少女と幾らか言葉を交わしたかと思うと、その場から二人とも姿が掻き消えた…。


「消えた!? …転移か……?」


 彼女たちの姿が消えたことでこれ以上見るものはないと思い、この場を去って宿に引き返す…。


「これは急いで皆に知らせる必要があるな……」


 この世界に飛ばされる前、一緒にゲームをしていた友人たち…。

 一緒にこのゲームに似ている世界に飛ばされ、今は各地に散らばっている戦友たち…。


「ゲームだった頃にはいなかった、とんでもねぇ奴らが存在するんだな……」


 あの(ゲームだった)頃は殆どのボスを倒し尽くし、もはや敵はいないと思っていたが…。


「兎に角情報がいるな…。 帝国の図書館にならあるだろうか…?」


 戻ってきた宿のベッドの上で今後の事を考える…。


(そういえば丁度五日後が、皆で帝国に集まる約束の日だったな……)

「皆に再会したらもう一度チームを組んで行動する必要があるな…。 他にもあれぐらい強い奴がいる可能性がある以上、迂闊に一人でいるのは危険だ……」


 今日見た蒼い髪の少女と桃色の髪の女性…。

 どちらか一人だけだったとしても、皆で挑んでも勝ち目はないと確信していた…。


「もっと強くならねぇとなぁ…。 せめてああいう奴らに抵抗はできる程度には……」


 そう呟きながら、睡魔に身を任せて意識を手放した…。




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