33 Side.レヴィアタン
(暇だなぁ……)
(だらけている場合ではないぞレヴィ。 我らが使役者より指示があっただろう)
(以前攻めてきた愚か者共が再びやってくるそうだな。 そのような汚物共をこの大陸に上げるだけでも不愉快極まる……)
僕の漏出した思念にジズとベヒーモスが思念を返す。
確かに僕らの使役者の慈悲を賜っておきながら、時を置かずに再度この愚行。
ベヒーモスではないが、確かに不愉快極まる奴らだ…。
(僕が津波を奴らの国まで放とうか?)
(それはいかん。 奴らの国を断罪するのはアグニル殿の役目だ。 我らが使役者の決定を無視するのは甚だ不味い)
(然り。 なれば奴らには絶望と恐怖を存分に植え付けてから殺してやるとしよう……)
(じゃあ上陸するまでは僕は手出ししないほうがいいかな?)
(そうだな…。 一人残らず上陸したら我が伝える故、そしたらレヴィは船を全て沈めてくれ)
(りょうかーい)
(俺達はどうする?)
(我らは彼奴等を嬲り殺しにすればよい。 なるべく惨たらしく殺すのだぞ?ベヒーモスよ)
(ならば咆哮は声量を抑え気味にするか……)
(レヴィは船を沈め終わったら待機だ。 彼奴等に姿が見えるように頭部だけは海面に出しておけ)
(ほいほーい)
相談しつつ奴らが来るのをじっと待つ。
数時間後、ジズから思念が届く。
(船影が見えたぞ。 以前来た愚か者共の船と同じ旗だ)
(じゃあ僕は海岸から少し離れた場所に待機してるね?)
(任せる。 ベヒーモスよ、我らも待機だ。 奴らが上陸しきるまでは何もするなよ?)
(不愉快ではあるが、この憤りは奴らを弄んで解消するとしよう……)
(では各々、奴らに地獄を見せてやるぞ……)
(あいあいさー!)
(愚かさを悔いる暇は与えてやろう……)
ジズの合図と共に、僕も沖のほうまで移動する。
そうして奴らが上陸するのを、苦虫を噛み潰す思いで待つ。
そして…。
(いいぞレヴィ、全員上陸した。 沈めろ)
(おっけー!)
海面まで上がり、頭部を外気に晒す。
そして身を捻り津波を起こす。
二度三度と次々に津波を起こし、五度目の津波で船を全て沈めきる。
(こっちは終わったよー)
(こちらもそろそろ終わるところだ)
(今終わったぞ)
(んじゃ僕らの使役者に報告お願いね、ジズ)
(任せたぞ、ジズ)
(たまにはお前達が報告してもよいのだぞ…?)
(俺達の中で一番頭のいいお前が報告するのが道理だろう)
(そーそー。 僕たちじゃ詳細な報告はできそうもないしさー)
(解った…。 ならば報告は我がしておく。 ベヒーモスは塵の片付けを任せるぞ)
(埋めておけばいいか?)
(とりあえずはそれでいい。後で大地を司る者殿に還元してもらおう)
(んじゃ僕は寝てくるねー。)
(俺も埋め終わったら少し寝るかな…)
(……異常は察知できるようにはしておけよ…?)
(解っている)
(解ってるってばー)
つまんない作業も終わったし、海底都市を護りつつ寝るとするかなー。




