28 Side.リントヴルム
世界樹の外で、荒れ狂う風と猛り狂う波の気配を感じる。
(どうやら愚か者がやってきたようだが、早々にレヴィアタンとジズに沈められたようだ……)
咆哮の余波が無いところを見るとベヒーモスの出番はなかったようだ。
あのような者達すら支配できるあたりは、流石は我が契約者と言ったところか…。
──超銀河団すら上回る長大な身体を持つ海蛇、レヴィアタン。
──銀河団すらも片足で鷲掴むことが出来る巨鳥、ジズ。
──超銀河団に匹敵する巨体を誇る完璧なる獣、ベヒーモス。
それぞれが一匹だけでも世界が滅びかねない力を持つ、天災に等しい存在達。
彼らの本来の大きさは、今の姿とは比べるべくもない。
そんな天災達を、我が契約者は支配して連れてきた。
連れてこられた際の彼らは非常におとなしいもので、それぞれの詳細を我が契約者に聞いたときは、古龍ともあろうものが驚愕のあまり卒倒してしまった…。
我が契約者の理念に則れば、彼らのような存在するだけで世界が崩壊しかねない存在を放置できるはずもなく、かといってその存在を問答無用で滅ぼすには我が契約者は優しすぎる…。
故に彼らに力の制御方法を教え、身体の大きさを惑星に棲める程度にし、力が発散したくば我が契約者が自ら隔離空間で相手をする…。
元々彼らに自我はなかったようで、我が契約者に支配されてからは日々を満喫しているようだ。
彼らとは同じ非人型眷属として、同じ天災として仲良くやっている。
規模が違うだけで、我ら古龍も天災に等しい…。
彼らが滅びの天災だとするならば、我らは試練の天災とも言える。
人々が乗り越えるべき災厄であり、超克すべき存在なのが我ら古龍なのだ…。
(また思考しているのか…、大地を司る者よ……)
(いやなに、|彼ら《三凶獣)が来た頃のことを思い出していただけだ…、劫火を纏う者よ……)
我に思念を送ってくるのは、我と同じ古龍の一柱である劫火を纏う者だ。
(珍しいな…、お前が話しかけてくるなど……)
(天候を操る者も泉を護る者も眠っておって暇なのだ…。 話し相手になれ我が盟友よ……)
(暇なのであれば二柱のように眠ればよいと思うのだが…、まぁ構わぬよ……)
我ら四天龍も、ここまで客がこなければ、基本的にやることなどないからなぁ…。
再び思考をしつつも、我が盟友の話に意識を傾ける。
今はまぁ、来るべき時までの永き余暇を存分に味わうとしよう…。




