27 Side.ジズ
空中を監視しながら、世界樹の上空を旋回する。
周囲を見遣りながらも、地上と海上にも目を向ける。
地上には煙を上げ移動する巨体を視認する。
相変わらず奴は元気が有り余っているようだ…。
海上には何も見えないが、海中に大陸よりも長大な影が見える。
あいつも問題なく壮健なようだ…。
(本日も異常なし、と……)
空中都市を避けつつ、世界樹の頂上に降りて羽を少しばかり休める。
飛び続けても疲れはしないが、羽の毛繕いをするのは紳士の嗜みだ…。
空中からは我が、地上からは奴が、海中からはあいつが監視するのが役目だ。
それが我らが使役者より与えられた、我らの任務。
今日も変わらぬ退屈な日々かと思ったら、遠い海上に複数の船影が見えた…。
(ベヒーモス、レヴィ、4時の方角だ。 見えたか?)
(目視した)
(こっちも視認したよー)
ベヒーモスとレヴィアタンから思念が返ってくる。
(我らが使役者から聞いていた通りだな)
(事前に聞かされていた旗を確認した。 俺らの使役者の言っていた者達だろう)
(なら沈めていい奴らだよね?)
(あぁ、ここまで来たということは、沈められる覚悟があってのことだろう)
(では今回はどうする?)
(いつも通りでいいんじゃない?)
(レヴィが津波を起こし、その生き残りには我が竜巻を、それでも生き残りがいたらベヒーモスがやる。 それでいいか?)
(問題ない)
(おっけー!)
(では、始める…)
我の合図と共に、艦隊の後方に巨大な津波が出現する。
乗組員達が騒いでいるのが見えるが、後方の船ほど避けきれずに、波に呑まれて消えて行く…。
何隻かは津波を避けきり、上陸しようと大陸に接近してくる。
陸に接舷したのを確認し、我は上空で羽ばたき、竜巻を発生させる。
(あっ)
(おい)
(あー)
少しばかり力み過ぎたせいか、多数の竜巻が発生して嵐となり、艦隊を蹂躙する。
海も荒れに荒れて、全ての船が大破し、沈没した…。
(うーむ、少し力を入れ過ぎたか…。)
(俺の出番はやはりなしか…)
(まぁ殲滅してもいい奴らだったし、結果オーライじゃない?)
───力加減を誤るとは…。これでは紳士には程遠い……。
(すまぬなベヒーモス)
(まぁ俺らの使役者の目的に副う結果ではあるからな…、謝る必要はないぞジズ)
(んじゃー僕は沈没した船と息のある奴を回収してくるね~)
そういって海上から見えていた影が消える。
深海に潜ったようだ
(では我は我らが使役者に報告を上げておく)
(任せる)
(回収が終わったら僕からも伝えるよ~)
後の事は我らが使役者に任せよう…。




