26 Side.エクスタシス 2
回廊を上機嫌で移動する。
「ふんふふ~ん♥」
全身に活力が漲っているのを感じる…。
肌艶もいつも以上に磨きがかかっている気がする…。
最近は忙しいことの連続で暇がなかったが、この間の大宴会でここ最近の欲求不満も解消された。
我が主様と出会う前までの私は、常に欲求不満を募らせていた…。
僅かばかりの精気を得られるだけで、どの男も私を満足させてはくれなかった…。
神とか呼ばれるものと交わったこともあったけれど、人の雄と大差なかった…。
(けれど…♥)
「我が主様と出会ってから、これほどまでに充実している日々はないわぁ…♥」
我が主様と初めて出会った時のことを思い出す…。
それまでに出会ってきた、どの男とも違う…。
神と呼ばれているものでさえも、私には取るに足らない存在にしか思えなかった…。
だが我が主様の姿を見たその瞬間に、私は魂の奥底から理解した。
この御方には、絶対に敵わない、と。
言葉で説明することなどできない…。
けれど見た瞬間に私は確信したのだ。
この御方は、私を唯一支配できる御方だ、と。
それを理解した瞬間、私は即座に彼に対して全面降伏した。
逃げる気も無かった。抗う気も無かった。
ただ私の本能が、この御方に隷属したいと叫んでいた…。
自身の致命的弱点を躊躇無く晒し、自身の魂の核を迷うことなく彼に差し出した。
身体も、魂も、心も、全てを彼に委ねた…。
恐怖は無かった。後悔も無かった。
ただ一刻も早くこの御方のものになりたいと、あの時の私は焦がれていた…。
そして、我が主様はそれを受け入れてくれた…。
そして私は、生まれた時から満たされることのなかった渇きから解放された…。
我が主様の物となって、私は本当の意味での幸福と安堵を手に入れたのだ…。
だから私は、我が主様の手足となって動く。
原初の惑星から容易に動けぬ我が主様に代わって、あらゆる場所に赴き、視認し、踏破する。
私の娘達も使って、我が主様の手助けをする。
「そういえばあの子達にもいっぱい働いてもらってるしぃ、今度我が主様に頼んで娘達も労ってもらおうかしらぁ…♥」
きっと我が主様の姿を見た瞬間から、眷属になりたいと言い出す娘達が出るだろう。
そうでなくとも、隷属刻印を起動して、勝手に屈服してしまう娘達が続出するだろう。
「そうなったら今度はぁ、大酒宴会をするのもいいかもねぇ…♥」
娘達と一緒の宴会を想像し、下腹部の隷属刻印が、明滅と脈動を繰り返す…。
熱を帯びた身体を抱えたまま、我が主様より受けた任務を果たすため、目的地へと向かった。




